2017.07.08

今週は忙しくないにも関わらず、色々気詰まりなこととかがあって、漸く昨日で一旦一段落することがわかっていたので、この日は息抜きの日、と決めていた。

池袋で古本市冷やかすなどしつつ、だらだらして午後から目白は志むらへ。

40分待ちではあったが、今年初のかき氷。桃が売り切れで夏みかんにするが旨し。いちごよりもかき氷の底の方に詰まった練乳部分がマッチして美味しい気がする。

その後は学習院へ行って今日の本題である押川先生の講演会(BKT転移とHaldane現象:2016年ノーベル物理学賞の奇妙な関係)へ。

http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/seminar/170708.html

 

昨年のノーベル物理学賞受賞者であるHaldaneによるHaldane gapの予想の話が、(最近まで一般的に信じられていたように)トポロジカル項とかのアイディアを素粒子物理由来で思いついたのではなく、TLLの臨界相と(Haldaneと同時に受賞した)BKT転移の関連の研究というきわめて物性物理した話(1D 量子XXZの厳密解を睨んで、なぜ相と臨界指数が2D古典系と一致しないのか、という所に着眼して、そこから1D 量子XXZでは一重渦の励起の禁止が生じており、最小励起が二重渦からになっている、と言う構造を発見すると言う話。この「禁止」が実は古典作用には含まれないトポロジカル項で説明される。)から思いついた、という初耳の話(個人的にはそれまで信じられていた経緯の話よりもむしろ、今回の経緯のほうが、非常にストレートかつ明らかに重要な着眼点によるもので、Haldaneに一層の恐怖を感じたというところだが。)。

また場の理論的な話の示唆を与えたのが実はたまたま訪れたPrincetonにいたWittenであった、とか、では一般的な理解であった、「Haldaneによってトポロジカル項に基づくギャップの理解がなされた」という話はどこから来たのか、というと実はAffleckによる詳細に書かれたレビューであった(原論文は目に触れる所に存在しなかったことも有り殆ど誰も見ていなかったが、こちらの影響で人口に膾炙した)、結果として、素粒子論の手法の物性での有効さが大きく認知され、その後の研究の潮流を形作った、などと、大変示唆に富む話(まさにIPMU Newsで紹介されるにふさわしい話ではないか)。学生の頃に論文を横目で見つつ、満足に読めなかった強力な面々の名前が続々と出てきて大変懐かしい気持ちにもなりつつ(読んだ気がするのはSchluzの1次元系の講義録ぐらいか)。

また、(本人に依るリジェクトされたプレプリントの紛失も相まって生じた)幻の論文を探し出して、その存在を確認する件なども含めて、脱線も大変面白く、押川先生の話の上手さにも舌を巻く感じ。

柏での談話会は平日でも有り流石に行きようがなかったので歯がゆいところであったが、今回こうして聞くことが出来て大変良かった。本当に有り難いことである。

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