2014-02-03から1日間の記事一覧

完全なるチェス

元チェス世界チャンピオンのボビー・フィッシャーの伝記。才気煥発な少年時代から、ソ連のグランドマスターとの対決と世界チャンプの栄冠の獲得、そしてその後の人生まで、その波瀾万丈ぶりにはただ衝撃を受ける他ない。まさに(少なくともチェスへの態度や…

ある島の可能性

年末に「素粒子」も読みなおして、準備万端で年初に読んだ。相変わらず表現は切れるし、かなり紙幅を割いている新興宗教の部分(特に復活の演出)とか面白い所もあるのだが、最後が何やら小さくまとめにかかってしまって、ダニエル1のあれだけの悲惨さ(そし…

素粒子

再読。シニカルな語り口の切れっぷりと言い、内容と言い素晴らしい(初読時は恥ずかしいことに問題意識がぴんときていなかった)。若さと放埒の消費(と搾取)のみが求められる時代と、それがもたらす肉体の有限性への恐怖や絶対的な虚無と孤独から逃れられ…