流しの公務員の冒険

 ある種の啓発的な所が前面に出た表紙からは嫌な印象も受けるし、中身もウェットな部分が多分にあるのだが(問題の構造を明らかにした上で、いかに人を動かして実際にそれを解決するか、というものなのである意味当然ではある)、目玉の常滑市立病院改革のエピソードを筆頭に、生々しい所(出て来る例が地方自治体での問題が主なのだが大体どれを見ても胃が痛くなる系)で実際に物事を動かして、成果を残してみせる手腕には平伏すしかない。

これだけの能力があってはじめて可能になるのが「侍」的な生き方か、と改めて感じざるを得ない。(並置するのが大変あれなのだが、実は「七人の侍」が本書で引き合いに出される部分について背景となる問題意識について、似たようことを去年映画見た時にぼんやりと考えていたので、ちょっとびっくりした)

流しの公務員の冒険 ―霞が関から現場への旅―

流しの公務員の冒険 ―霞が関から現場への旅―