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日本文学全集13

たけくらべ」、「三四郎」、「青年」の三本立て。
たけくらべ」については原文でなく、川上未映子による現代語の新訳になっているのが一つの売り(らしい)。この試みについては(原文を読んだことがないので)上手くいっているのかどうかは分からないが、すごく少女漫画みたいな話だな、と思いました(小学生的)。
残る二つについては、「三四郎」は前に(凄みを感じる所はあるけれど)随分田舎者的というか芋臭い話だと感じた記憶があったが、「青年」の浅はかさはその比ではなかった。何というか、多分前者では広田先生の存在が時代や社会の流れと、その中での個人的な(自意識とかの)問題をつないで、問題を個別矮小化しないという意味で大切な役割を果たしている気がするが、後者では何か(教養を身に付けて賢くなったつもりの)若者同士で管を巻くか(そういう意味では出てくる「兄」的な役の大村がもう少し賢そうならばよいのかもしれんが)うだうだ悩むか(その悩み方も三四郎の一種の朴訥さはなくて、悪い意味で自分の沽券ばかり気にしたような偏狭的な)というだけで、狭い方へ狭い方へ行って一人相撲を取るのみ、という感じ。それで最後に「(今まで書けなかった小説が)今書いたら書けるかも知れない」とか言われてもな。という訳で並べて読んで「三四郎」の株が(自分の中で)上がった。