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将棋界奇々快々

河口老師のNHK将棋講座での連載(米長名人誕生前後)をまとめた本。中身は対局日誌などで見られるような老師節といった所だが、将棋界における観戦記の質の低さとその地位の向上の話や、棋士棋譜を提供してお金をもらっているということへの意識が希薄であることへの批判など、今読むことで面白い話題も多い。前者はさておき、後者についてはBSでの中継の開始、ネットでの棋譜中継の開始とニコニコ動画での中継・棋戦の開始、というのは改めてじわりと大きな変化であったと思わされる。後は何度か出てくる、過去のトップ棋士の現代の目からの再評価の話とか、棋譜が使い捨てのようになっていてそういったことが成されていないという嘆きとかも、「イメージと読みの将棋観」に留まらず、コンピュータによってなされたりするような試みさえも生まれていることとか(老師はコンピュータによる序盤研究偏重−人となりと将棋の切り離された無機質さ、的な結びつけ方をしていたわけだけど)。
しかし老師史観とでも言うべき(良くも悪くも)影響力のあるものを棋界に残した点で、やはり大きな存在だったと言わざるをえない。
余談だが、永作五段と有野五段が棋士を辞めていた話は今回はじめて読んで驚いたり。

将棋界奇々快々

将棋界奇々快々