現代思想の教科書

「4つのポスト状況」である現在を捉えることを目的として、構造主義に代表される現代思想を概説し、更にそれを通して現代の諸問題を考える、といった本。

読んでて滅茶苦茶楽しかった、というか初っ端のソシュールの段が面白すぎて、読んでる最中、文字を通して読む、というのがもどかしく感じられるぐらいに早く先を読みたいと思ったのは久々どころではない。まあ自分がものを知らなさすぎる、というのに起因するのは明らかだがそれでも非常に面白かったと思う。原典の重要性も強調されていて、ぜひあたってみたいと思わされた。
中身としては前半のいわゆる構造主義の解説の当たりと、終盤の実際の問題への適用を考える当たりが面白かっただろうか。ただ、対談形式はただでさえ紙幅が少ないことを考えると微妙だったのでは。「4つの状況を講義前半でやった方法論で考える」、という流れが必ずしも共有されておらず、ゲストの持論を聞く感じになってしまっていたのはいまいちだと思った。しかしあまりにも面白かった。
高校生のうちに読んでおけばもう少し大学を有意義に使えた気もするぐらいに。

現代思想の教科書 (ちくま学芸文庫)

現代思想の教科書 (ちくま学芸文庫)