PROG FLIGHT@HANEDA

今年はあまりライブに足を運べていないのだが、超絶豪華メンバーにかねてより期待大であった所の11月25日のPROG FLIGHT@HANEDAに何とか参加することが出来た。

何とか、と言ったのは、諸般の事情でちょうどその日まで欧州出張であり、予定調整の結果、奇跡的にフランクフルトから羽田帰りのフライトを使って帰ってくることが出来たため。実際の参加はERAの演奏の途中からであったが、何とか最後まで聴くことが出来た。

羽田でやってくれていなければ大幅遅刻で参加すらどうか、と言うところだったので、今回羽田空港でやってくれたことに感謝しか無い。また、TIAT SKY HALLは存在すら知らなかった(近辺の吉野家は使ったことがあったにも関わらず)のだが、上の事情を除いてもコンパクトで音もよく聞こえ、非常に良いホールと感じた。まさに穴場。

演奏も凄まじく、特に今回の衝撃は初めて聞いたLu7。このライブのPVであまりの衝撃を受けて、何としてでも聞きに行こう、と決めたのであったが、予想を遥かに上回る圧倒的ライブであった。自由自在かつセンス抜群なキーボードにAllan Holdsworth的ギターをはじめ聞き所満載だが、何よりも非常に高度に制御されたバンド全体の統合性に驚かされる。今回の(目玉が飛び出るスペシャルゲストの)大木理紗とのコラボも、(この日の特別編成とは思えぬほど)マッチするようバランスされた演奏に、恐ろしさすら覚える。

また、Electric Asturiasも過去に聞いたライブよりもベース、ギター共に今回非常によく聞くことができ、改めて高度な技術を再認識。こちらも大木理紗とのコラボでのBarren Dream、木霊には言葉もない。再販絶対買おうと改めて思うなど。

そして最後の”Ashes are burning”もこれしかない、というようなチョイスで快哉を叫びたくなるような内容。

終わってみれば4バンド+ゲストの怒涛の4時間30分演奏、にも関わらず円滑な進行、など申し分ないようであった。また是非やってほしいと強く思う。

 

 

「この世界の片隅に」爆音上映

尻に火がついた状態なのだが、かねてから予約しておいた枠なので早引けして丸の内ピカデリーへ見に行く。音が実に強力(もちろんこれは必ずしも、戦争の場面のものだけを意味しない)、というか音がこの映画において、かなり重要な要素を担っていることを再認識。前段階ではどうだろうかとも思ったが、選択して正解であった。

この前読んだ本(『二つの「この世界の片隅に」』)の影響か、原作からどこを残したかとか、どうその根底に流れるものをアニメーションという形態に適した形で表現するか、みたいな所に目が行く。本が慧眼過ぎて、新規性のない所しか言及できなくてつらいのだが、たとえば出だしのおつかいの場面(個人的には超好みだが)とかもそうで、実に自然といえばそうなのだが(漫画では可視化される)妄想はこちらでは可視化されていないのだな、とか、(これは本にも言及が合ったが)やはり出だしの所を絵物語に仕立てたのは妙技過ぎるなとか。一方で、原作(や作者の他の作品)を知ってしまった身としては、やはり、りんさんの件を中心に省かれた部分が強く意識され、そちらも在ってほしかったという気持ちも強まるのであった。

終了後は片渕監督と今回の爆音上映の主催者である樋口氏のトーク。戦争の音が自衛隊総合火力演習でナマで撮った音、という事実や普通の戦争映画はウーハーが効きすぎ(だがこの映画はそれを使ってなくて太鼓の音ぐらい。言語化できなかったが、たしかに映画において太鼓の音に違和感を覚えた。)というところ、「何かの音がしている」という状況がリアルさ、そして空間の立ち上がりを生む、と言う話(アゲハチョウの羽ばたき音すら入っているという驚き)、などと30分という短時間にもかかわらずの高密度。こういうインタビューをしたいものだが。

クラウド時代の思考術

ダニング・クルーガー効果(無知な人は自分の無知に気がつくこともできない)という話から始まって、各人の嗜好に対して「お気に召すまま」の情報が提供されがちな現代において、いかに必ずしも自分の欲していない「無駄な」知識に触れる機会を作るかが大事、みたいな話。

だが、その前段として延々と雑学クイズの統計結果が本の大半にわたって展開されるので、相当退屈。もう少し密度を上げてくれ、と言う気分。

 

クラウド時代の思考術―Googleが教えてくれないただひとつのこと―

クラウド時代の思考術―Googleが教えてくれないただひとつのこと―

 

 

天国と地獄

一昨日日本橋で見てきた。黒澤明の映画を見始めるきっかけとなった以下の動画に出てきた場面が複数見られ、おお…とか思っていた。(この「天国と地獄」に限らないが)

www.youtube.com

やはり、上の動画で指摘されていた点だが、画面の中での制御された動き、が印象的。

後はやはり前半の特急のシーンか。

反面、 後半の筋や犯人の背景には、違和感があるというか説得力を欠く所が見られるか。

 

野良犬

風邪をごまかしつつ先週えっちらおっちら錦糸町まで行って見てきた。

行く前は光と影のコントラストに注目なのか、と思っていたが、どちらかというと絵画みたいな構図と奥行きの面白さ、が印象に残る。(ハルミ宅での刑事と母娘の配置とか)。対位法については、何だか冗談としてやってみた一つのアイディア、みたいな気もするのだが(全然経緯を知らないので適当だが)。

グローバリゼーションと人間の安全保障

言っていることとしては、「アイデンティティと暴力」と大体同じこと、という印象。(やはり横着せずに「正義のアイデア」とか大部を読む必要を感じる。 

しかし、この本はじめ一貫して感じられるスタンスは、まさしく知性の可能性への信頼、という感じで非常に感銘を受ける。大変雑にまとめると、「複雑なものを過度に単純化せずに、ちゃんとその複雑さの存在を受け入れて、頭を使って考えましょう」というものだと思うが、なかなかこういったことを説得力を持って言える人というのは多くないと感じる。

 

 

アマルティア・セン講義 グローバリゼーションと人間の安全保障 (ちくま学芸文庫)

アマルティア・セン講義 グローバリゼーションと人間の安全保障 (ちくま学芸文庫)

 

 

プロフェッショナルの未来

従来の知的産業と、そこでの専門性の発揮により高い社会地位を得ていた職業は将来的にデジタル技術の力により解体されていき、(デジタル技術そのものに加えて)デジタル技術の力を借りた「準専門家」達により、代替されていくだろう、という本。

個人的にはこの手の代替は(具体的な時期をビシっと言い切るのは困難でも)まず生じるだろう、と言う側に偏っている(というか「仕事」として競争の中で利益を得るための効率的な形態を追い求め、分業や標準化、スキームの整備などが進んだ結果として、今や個人の行う多くの作業が驚くほど簡便に自動化、機械による代替が効くようになっているとしか思えない)ので、大量の事例などを提示されつつ上記のような主張をされると、まあそうだろうね、と言う感じ。圧倒的な驚きとかは特に無い(が、別にそこまで悪い本という印象も受けない)。

 

プロフェッショナルの未来 AI、IoT時代に専門家が生き残る方法

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