グローバリゼーションと人間の安全保障
言っていることとしては、「アイデンティティと暴力」と大体同じこと、という印象。(やはり横着せずに「正義のアイデア」とか大部を読む必要を感じる。
しかし、この本はじめ一貫して感じられるスタンスは、まさしく知性の可能性への信頼、という感じで非常に感銘を受ける。大変雑にまとめると、「複雑なものを過度に単純化せずに、ちゃんとその複雑さの存在を受け入れて、頭を使って考えましょう」というものだと思うが、なかなかこういったことを説得力を持って言える人というのは多くないと感じる。
アマルティア・セン講義 グローバリゼーションと人間の安全保障 (ちくま学芸文庫)
- 作者: アマルティアセン,Amartya Sen,加藤幹雄
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2017/09/06
- メディア: 文庫
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プロフェッショナルの未来
従来の知的産業と、そこでの専門性の発揮により高い社会地位を得ていた職業は将来的にデジタル技術の力により解体されていき、(デジタル技術そのものに加えて)デジタル技術の力を借りた「準専門家」達により、代替されていくだろう、という本。
個人的にはこの手の代替は(具体的な時期をビシっと言い切るのは困難でも)まず生じるだろう、と言う側に偏っている(というか「仕事」として競争の中で利益を得るための効率的な形態を追い求め、分業や標準化、スキームの整備などが進んだ結果として、今や個人の行う多くの作業が驚くほど簡便に自動化、機械による代替が効くようになっているとしか思えない)ので、大量の事例などを提示されつつ上記のような主張をされると、まあそうだろうね、と言う感じ。圧倒的な驚きとかは特に無い(が、別にそこまで悪い本という印象も受けない)。
プロフェッショナルの未来 AI、IoT時代に専門家が生き残る方法
- 作者: リチャード・サスカインド,ダニエル・サスカインド,小林啓倫
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2017/09/20
- メディア: 単行本
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3月のライオン 13
数巻前よりは気分良く読めるというのはあるのだが、特筆すべき点はなし。