麦秋

3月の繁忙期に見る。冒頭に始まり、なんでもないような日常を飽きさせずに見せる手腕と、口には出さねど通底して流れる戦争の痕、というだけでも見た絵画と思いきや、最終盤の唐突にも見えかねる結婚からの、音を立てるような「家族」の終焉と最後の余韻。これはたしかに良作品と感じる。