グローバリゼーションと人間の安全保障

言っていることとしては、「アイデンティティと暴力」と大体同じこと、という印象。(やはり横着せずに「正義のアイデア」とか大部を読む必要を感じる。 

しかし、この本はじめ一貫して感じられるスタンスは、まさしく知性の可能性への信頼、という感じで非常に感銘を受ける。大変雑にまとめると、「複雑なものを過度に単純化せずに、ちゃんとその複雑さの存在を受け入れて、頭を使って考えましょう」というものだと思うが、なかなかこういったことを説得力を持って言える人というのは多くないと感じる。

 

 

アマルティア・セン講義 グローバリゼーションと人間の安全保障 (ちくま学芸文庫)

アマルティア・セン講義 グローバリゼーションと人間の安全保障 (ちくま学芸文庫)