まなざしの地獄

社会学の素養がないのもあって)非常にどう読んだものか悩ましいという印象を受けた。主張される内容は確かに重要な側面からの指摘を孕んでいるように見えるが、一方でその結論・ストーリーがまずあるようにも見えて、途中にたまに挟まれるデータとその「解釈」をどの程度、論旨の支えとしてまじめに受け取るべきか悩ましい(なので、解説の「二つの方法を架橋し、それぞれの欠点を同時に克服して見せている」という評価は正直どこから来たものかいまいち分からない)。
「お話」としては一部に魅力的な側面があるのかもしれないが、全体的には煙に巻かれたような印象の残る本。

まなざしの地獄

まなざしの地獄