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研究を売れ!

ソニーCSLを舞台にした、「研究営業」の仕事の内容の紹介本。特にCSL研究所という、基礎的な領域を対象領域に入れた研究所において、在籍する各研究者の研究を中長期的なスパンで事業へ結びつける、のみならず研究の意義を社内外にアピールしていく、などの役目を担う研究営業については、日頃そういった行為の重要性は強く感じさせられることもあり、興味を持って読んだ。実際、本文に出てくる事例のうち、位置情報サービス事業の立ち上げとクウジットの設立・東京国立博物館でのフラッグシッププロジェクトや、マイクログリッドでの電力融通の実証プロジェクト立ち上げなどの部分は興味を惹かれるものだった。
しかし、一方で(むしろより気になる点である)日頃どのようなアプローチを行っているのか、という部分(4章)については、少なくともこの本で示される内容については率直に言って期待はずれと言わざるをえない。社内説明用のパワポ(ここで示される例がまた何とも冴えない)にせよ、説明のために研究者を突如訪問して話をする例にせよ、二階から目薬感が半端無く、本当にこれが適切なやり方なのか疑問が生じてならない。後、社内ならまあこれぐらいでも良いのかもしれないが、ここに出てきているような感じで社外でどうにかなるのかも、疑問。
こうして一冊の本として形になったものを見ることで、改めてこの辺りのやり方の難しさを認識させられた。

研究を売れ!―ソニーコンピュータサイエンス研究所のしたたかな技術経営

研究を売れ!―ソニーコンピュータサイエンス研究所のしたたかな技術経営