人間に勝つコンピュータ将棋の作り方

2010年に行われた合議制の将棋ソフト「あから2010」対清水女流王将(当時)の勝負までのコンピュータ将棋の歴史について書かれた本。現在までの有名なコンピュータ将棋開発者がそれぞれ自身のソフトについて語っている点は興味深いが、内容は概観に留まる感じ。合議制のあたりについては興味深く読んだ(「カスパロフ対世界」というチェスの前例の存在や、集合知の考え方が浸透してそうな情報分野で、合議の考え方がはじめ受け入れられなかったというのは結構驚きだった)がボナンザ革命などについては、将棋世界の以前の連載(コンピュ−タ将棋は七冠の夢を見るか?)のほうが詳しい。アマ強豪による2章は蛇足(といっては言い過ぎかもだが内容は他に比して一層薄い)。

人間に勝つコンピュータ将棋の作り方

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