数学ガール ゲーデルの不完全性定理

いや面白かったです。最初は、それこそ小学生がやるようなパズルとかから始まるのでサクサク進んで気分が良い反面、最終章でいきなり定義46個並ぶ構成とかになるのはなかなかすごい落差だな、とは思ったが、全体的には最後まで無理なくたどり着けるような配慮がされている親切な本という印象を受けた。
ただ、悩ましい問題なのだろうが、「数学」と「物語」を同時に実現するために片方がもう片方の流れを損なっているような所があるのは気にかかった。具体的には「螺旋」の下りで出さざるを得ない、「数学」サイドの大筋にはあまり絡まない三角関数の話とか。
肝心の中身としては、やはり形式的体系化、という思想があまりに素晴らしいな、と。こういうモチベーションはきわめて西洋的な気がする。他の数学圏でこうした学問は出てこなかったのだろうか(何だかトンデモみたいな方向性であれだが)。あと、どうでもよいが証明追ってる最中に急に背理法に自信が持てなくなった(理由は謎。もちろん本の書き方に難があるとかではない)。
もう少し詳しい本にも当たって見たいと思う良いきっかけになったと思う。

数学ガール/ゲーデルの不完全性定理 (数学ガールシリーズ 3)

数学ガール/ゲーデルの不完全性定理 (数学ガールシリーズ 3)