数学をつくった人びと
数学をつくった人びと〈1〉 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)
- 作者: E.T.ベル,Eric Temple Bell,田中勇,銀林浩
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2003/09
- メディア: 文庫
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どうも「本」タグを使わなさ過ぎてあまりにもひどい状態になってるので久々に。
古くはアルキメデスから始まって19世紀までの数学の巨人についての伝記。数学を専攻しているわけではない自分にも馴染みのある人々について、自身も数学者の著者が、業績に立ち入りすぎず、軽妙に語ってくれ、読んでいて非常に楽しい。巨人たちの様々な逸話に触れると、やはり数学も人間がやるもの、というか人間にしか出来ぬものだと感じる。ただ、作者が結構主観を交えて書いている節があり、そこが気になるといえば気になる。例えばニュートンについては割と若い時期の話に留めて褒めちぎってお終いだし、ラプラスについては農民出の俗物とか言って結構馬鹿にしている嫌いがあるし(作者が数学者ゆえか、「普通」の仕事を軽んじている気がする)。とはいえ、もし自分が中学生とかの段階でこれを読んでたら、数学をやることも考えてしまったかもしれない、というぐらいには面白いのでお薦め。どうでもよいがヤコービとラグランジュがかなり好きになった。