ニンジャバットマン

天気にせよ行事にせよ何かと気が滅入る季節である6月ではあるが、その中での精神安定要素の一つとして期待するところ少なくないものがあったこの作品(バットマンには詳しくないのだが)。

感想としては、ともすれば我に返って疑問符を浮かべてしまいそうになる摩訶不思議ストーリーをカバーして余りある、高レベルな映像と音楽のドライブ力の成し遂げた好作、という所になるだろうか(ねぷたでのヴィラン大名の紹介とか蝙蝠衆の里の件、レッドフードの件など(折に触れてポプテピピックが想起されつつも)素晴らしい出来栄え)。

それにつけても、スーパーインテリゴリラ(・グロッド)やハーレクインの印象深さといったところを抑えて全てを持っていくのが高木渉演ずるジョーカーで、まさに独壇場。とはいえ、映画でのジャック・ニコルソンのような得も言われぬ不気味さとかはなくて、どちらかといえば、(今回のメカラッシュも合わせて)ばいきんまん、といった所が印象としては近い。

後はやはりそれ以外の悪役の扱いが思いの外、という所はあるか。一応置き換える戦国大名ヴィランの特徴とちゃんとリンクさせるようにしているのだが、如何せん見せ場に乏しくて、誰でも良かった感じも相当にしてしまう。(戦隊ものとかでも赤以外はそんなもの、とか言ってしまえばそれまでだが)。ともあれ全体としては中々面白かった。