表題作が図抜けて素晴らしい出来。「神」の位置づけの変遷(「トーマの心臓」などの「赦す役割」から、「裁く役割」へと移行するような)が見えて興味深い。
「城」や「エッグ・スタンド」はいまいちか。「天使の擬態」は意外にも見える導入(学校生活、新任の教師、天使の翼のモチーフなど悉くが大島作品得意のパターンのようではないか。「さようなら女達」とか「誕生」とかを読み返してしまった)から、それらとは異なる作者流の最終盤へ。これもかなり良し。
- 作者: 萩尾望都
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1995/08
- メディア: 文庫
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