百年の孤独

(個人)史上最高クラスの本。
圧倒的筆致で、蜃気楼の村マコンドとその創始者である血族ブエンディアの一世紀以上にわたる全史を語り、一族各人の運命、背後のそれぞれの時代の奔流、一方で宿命ともいうべき本質的孤独・時間の停滞と繰り返し・老いと死を描き出すと共に、それら全てが「物語」化し、侵食されていく様が進展とともに猛烈な勢いで加速し、最後にはその構造自体を自ら飲み込み、哄笑に付す(まさに風の前の塵)。

この対峙している間のみ姿を現す壮麗な大伽藍を前に我々ができる事は、ただ豚のように貪り読むことのみ(羊皮紙を前にしたアウレリャノ(バビロニア)は我々の姿に他ならない)。

こういうものに出会えると、たまには(本当にたまにだが)生きていると良いことがあると感じる。2年前に友人に薦めてもらってから、先週取れた休みで漸く読み始め半日ぶっ通しで読み終えたが、心残りが一つ消え成仏の時が近づいたと感じる。

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)