狂気の山脈にて 3

勝手に三巻完結だとばかり思っていたのもあり、手に取った瞬間は正直引き伸ばしではないか、などと感じたのだが、いざ実際に読み進めると、いよいよ姿を表した都市の絵の気合の入り方が凄まじく(禍々しさと異様さ、通常の理からかけ離れての一種の神々しさ…

ダンジョン飯 5

何だか食事関連ではない所はそれ程でもない気がしてきた。 ダンジョン飯 5巻 (HARTA COMIX) 作者: 九井諒子 出版社/メーカー: KADOKAWA / エンターブレイン 発売日: 2017/08/10 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (9件) を見る

少女ファイト 14

一貫して分かり易い(良い意味ではない)方へ分かり易い方へ流れている感もある。 少女ファイト(14) (KCデラックス イブニング) 作者: 日本橋ヨヲコ,木内亨 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/07/21 メディア: コミック この商品を含むブログを見る

ジョジョリオン 15

題材はチープ(悪い意味ではない)だが、面白かった気がする(理由は不明)。 どうでも良いが、カバー写真で遂に老化の兆しが見られ始めた気がするのは気のせいか。 ジョジョリオン 15 (ジャンプコミックス) 作者: 荒木飛呂彦 出版社/メーカー: 集英社 発売…

ポーの一族 春の夢

40年ぶりに新作が描かれる、という信じ難い事実にとどまらず、今まで全く描かれてこなかった複数の情報を含む衝撃的な展開(第二次世界大戦中という、これまでの物語における歴史の中の「内挿」のエピソードとして書かれたものとは思えない)と、兎に角驚き…

バッタを倒しにアフリカへ

サバクトビバッタ研究者である著者の、アフリカはモーリタニアでの奮闘記。 虫の写真こそたくさん出てくるが、研究の詳細的な話はあまりなく(一方でサバクトビバッタの相変異の話はかなり興味を惹かれる)、研究をすすめる上で非常にタフな環境で、どのよう…

このあいだに なにがあった?

二つの写真(ある出来事の起こる前後の写真)を見比べて、その間に何があったかを推定する、というコンセプトの絵本。 コンセプトだけ見ると「心の理論」臭が半端なく、どきどきしながら読み進めたが、それほどではなかった。風呂場の所はわずかに面白かった…

応天の門 7

もはやあまり謎解き的要素はなしか(ゼロではないのだが)。 応天の門 7 (BUNCH COMICS) 作者: 灰原薬 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/06/09 メディア: コミック この商品を含むブログを見る

ぼくがとぶ

噂はかねてから、的な本であるが、東京堂書店でのフェアで実物(新しい方だが)を初めて見て読む。絵は言わずもがな、話としても(特に飛ぶまで)実に良い。小さい頃に読むべきであった。 ぼくがとぶ 作者: 佐々木マキ 出版社/メーカー: 絵本館 発売日: 2013…

木のぼり男爵

GW中に実行しようと試みたものの中で、唯一完遂できたのが(かねてからの積読であった)この本の読了であったのだが、紛うことなき大傑作であった。これを読めただけで(遊び部分については)お釣りが来るぐらい。 割と昔から、一見突拍子もない内容でありな…

地方消滅

賛否両論あるようだが(数字の取扱については素人には俄には賛否双方の妥当性がわからない部分もあったが)、(直結しない分野の)今後の見通しなど、何を考えるにあたっても、人口急減で今までのように機能しなくなる地域が存在する(その一方で一極集中は…

妖怪ハンター

過去に読んでいる部分もありつつも、「地の巻」、「天の巻」、「水の巻」(最も古い「地の巻」から時系列順になっている)に通して読むのは初めて。 しかし、出来栄えとしては、やはり最初の「地の巻」が一線を画している。なかでも「生命の木」(この前遠藤…

囲碁AI新時代

囲碁はルールも分かっていない程度、ということもあったのだが、千田五段のプッシュも見て、読む。1章、2章の具体的な部分は予想通り理解は難しかったが、著者の文章自体はかなりわかりやすく(今の囲碁AIが得意とする「大局観」的な部分と「局所の読み」…

ゲームの教科書

生々しいスケジュールが載っている所をはじめ、開発者になりたいと思っているキッズには一定程度興味を引く部分もありそうな気もするが、全体としては中身は薄い。 ゲームの教科書(ちくまプリマー新書) 作者: 馬場保仁,山本貴光 出版社/メーカー: 筑摩書房…

図解 次世代火力発電

汽力発電とかCCSの素養がないので不安にかられて読むなど。比較的情報は新しく(次世代火力ロードマップを受けてなのでそれはそうだが)、まとまっているので参考にはなる。 図解 次世代火力発電-環境性・経済性を両立する実用化への道- 作者: 高橋毅 出版社…

統計力学Ⅱ

まさかの、といった感じであるが、「Ⅰ」を読んだ後もちまちまと読んでいたのが、先週ようやっと最後まで再び行ったのであった(体調不良とか、年明けから時間確保がまるで出来ない期間が続いたりでぼろぼろだったり、とかもあったのだが)。 下巻も相も変わ…

すばらしい新世界

最近新版が出ており、読んだことがなかったので手に取る。今となっては、これが平常営業だからなぁ、的なところは割とあり。ただ、Counterpartとして「シェイクスピア」とか言われると、思い入れ(それどころかろくにあらすじを知らないというのもあるが)が…

イノベーションはなぜ途絶えたか

前半(特にSBIRの説明のある2章)は参考になるが、後半はあまり。 イノベーションはなぜ途絶えたか: 科学立国日本の危機 (ちくま新書1222) 作者: 山口栄一 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2016/12/06 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る

数学セミナー 4月号

数学セミナーで詰将棋の連載が始まる、というので手に取ったのだが、その他の記事も実に面白かった(といっても気軽に読めるものしか読んでいないが)。門外漢向けにシフトしたのかもしれないが、相当興味を惹かれる雑誌という感じ。以下メモ。 ・特集の「数…

レッド 最後の60日 そしてあさま山荘へ 4

あまりにもおぞましいが、まだ終わらない。 レッド 最後の60日 そしてあさま山荘へ(4) (イブニングコミックス) 作者: 山本直樹 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/02/23 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る

ルポ トランプ王国

これは大変良い本であった。なぜ「本音」であることが重要なのか、なぜ実業家であることを重視するのか、なぜ「反エスタブリッシュ」なのか、そしてなぜ(実際は必ずしもその実現性を信じていないにも関わらず)「変わる」ことを志向するのか、ということに…

僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう

立ち読みして大半読んでしまったので。 感想としては、元となるコンセプトに対する本としてはかなりいまいち。はっきり言えば失敗。ただし、呼んできている人が凄いので、一部面白い。 まず題名とコンセプト(いわゆるすごい人でも、昔はそうでもなかった、…

銀河英雄伝説 5

戦いが起こらないほうが面白い気がする、ということで今回はそれ程でも。 銀河英雄伝説 5 (ヤングジャンプコミックス) 作者: 藤崎竜,田中芳樹 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2017/02/17 メディア: コミック この商品を含むブログを見る

ぼくの地球を守って

先週の「白泉社kindle本全品50%セール」という恐ろしすぎる(財布にとってのブラックホール的な意味で)*1ものが発生した結果(の一つ)。最近のストレスフルな生活の反動で、毎晩2巻ほど読んで昨日漸く読了。長年の積み残しであり、また一つ思い残しが消化…

真理の探求

年末に読んで以来、ずっと書かねば、と思いつつバタバタしたり自分の中ですっきり腑に落ち切るまでに時間を要したりで、こんな時期になってしまった。 「仏教と宇宙物理学の対話」という副題からして、著者名の記載がなければ妖怪アンテナが立ちそうな題材に…

旅先で読むその2。「過去は…バラバラにしてやっても石の下から…」的な話(を牙を抜かれたような格好になっている主人公と、罪悪感に苛まれ続ける妻とを中心に描く)で、3部作の中で一番好きかもしれぬ。 最後の禅寺に行く件が取ってつけたよう(でよろしく…

Flowers 3月号

ポーの一族の続きを読む。予想だにせぬ新展開(と奇妙さ。アランはどことなく、やや軟着陸の方向を見せつつの気がするが、やはりエドガーの魔法が解けた感は如何とも)に、年表的に本当に1940年代なのか?とか訝しむが、本編後に年表が出てきて、スタートか…

回避性愛着障害

少し前にふと思う所あって読んだが、占い師か、と言う程ずばりずばりと言い当てられるようで(巻末のテストも合わせて)、大変いたたまれない気持ちになった。 本としては、事例で出て来る人がやたら芸術や哲学・文学系なこと(個人的にはホッファーの例が印…

狂気の山脈にて 2

旅先で読む。静的な性質の画が、物語の粘度の高い恐ろしさに実に合って、良い。 狂気の山脈にて 2 ラヴクラフト傑作集【電子特典付き】<ラヴクラフト傑作集> (ビームコミックス) 作者: 田辺剛 出版社/メーカー: KADOKAWA / エンターブレイン 発売日: 2017/01…

最後の秘境 東京藝大

年末に実家で読む。キャッチーな宣伝文句から当初本屋で見た時は軽視していたが、某所での「みすず」への推薦文を見て読むことに。 内容としては、妻が芸大生だが自身は芸術に関しての専門家ではない筆者が、芸大の学生へ行ったインタビューをメインにして、…