2019.05.17

ひょんなことから出身の専攻のD論が読み放題なことを発見してしまい、いろいろ眺めるが、どれも当然ながら大変立派なものでかなり憂鬱な気分になる。

夕方はセミナー。ここでも気分が下がることに。

終了後帰宅するが、メール一本のために戻る羽目になる。こういったことをしているとこれぞ労働、という気持ちになってくるのは頭がおかしいせいだろうか。

名人戦は予想外の4連勝で豊島名人誕生。しかし、横綱の如き堂々とした佐藤将棋に魅力を感じていた自分としては、この名人戦を(自分が将棋を始めた年の名人戦であった)佐藤ー丸山戦と重ねてしまっていたり。後はやはり、(新名人戴冠のタイミングにもかかわらず申し訳ないが)4連覇が成らなかった、という事実が藤井二十世名人誕生の確率を着実に上げているな、とか思ってしまった。

名人・竜王経験者というくくりで言えば、丸山-渡辺-豊島という路線が個人的には、一手の「指し手」で印象を強く残すような魅せる系統の将棋ではなく、気がつくと勝っている系、として(渡辺二冠はブログや取材を巧みに活用して情報を自ら発信しているので、その印象が相対的に薄れているという側面があると思うが)個人的には認識している。

羽生・佐藤・森内は言わずもがな、丸山にせよ成香冠は言うに及ばず、名人時の谷川戦での四間飛車の屠り方とかいずれも、その棋風の強い特徴を体現するような「この一手」が数こそ異なれど思いつくわけだが、渡辺・豊島両名、名勝負・名場面的なものこそあれど、意外とそういったものは指摘しづらいような気がしている。特に豊島将棋の「これぞ」という指し手が正直直ちに思い浮かばない。というわけで、将棋世界の付録か何かで、「豊島の一手」的な特集・小冊子を強く希望。