2019.04.07

入手したタダ券の期限が切れそうなので、慌てて上野の「奇想の系譜」展へ行く。

最終日で相応に混んでいたが、信じがたいほど良い展覧会だった!

例によっての慢心でちゃんと予習したりせずに臨んだが、二世紀ほど先を歩んだような蕭白の「群仙図屏風」の衝撃があまりにも強く、棒立ち。これだけで来た甲斐があったというもの。その他にも、頬が緩まずに入られぬ若冲の河豚と蛙の相撲や芦雪の猿山とか、蕭白の美人図、とかすごく気に入ったものがいくつもあって、それらだけでも満腹感もあったのだが、やはり「群仙図屏風」がすべてを持っていった感が個人的には強い。後は岩佐又兵衛の新出の「妖怪退治図屏風」の説明文が、書き手の熱がじわりと伝わるような文でこれも良かった。

東京都美術館の特別展だと、他の美術館よりもこじんまりして、というか、出口に差し掛かるともう終わりか、という若干の味気なさを感じることもたまにあるのだが、今回はそれとは真逆というか、大変密度の濃い内容で満足度が高い。普通に複数回行くべきだった。