妖怪ハンター

過去に読んでいる部分もありつつも、「地の巻」、「天の巻」、「水の巻」(最も古い「地の巻」から時系列順になっている)に通して読むのは初めて。

しかし、出来栄えとしては、やはり最初の「地の巻」が一線を画している。なかでも「生命の木」(この前遠藤周作「沈黙」映画版を見ていたので今更気付いたが、「沈黙」の題材と割とリンクする部分もあるが、その描き方に関してはっきり言ってこちらの方が上を行っていると思う。「沈黙」の限界が一神教的世界観に由来するのでないか、ということが改めて「生命の木」を読んではっきりさせられた)、「闇の客人」は唯一無二。未来永劫残るものと思う。

一方で、「天孫降臨」を題材にした「天の巻」は、元の話にしたがって話が展開されるだけ、という感じであまり面白みを感じず。「水の巻」は雰囲気こそあれど、粘着質系の気味悪さの方に行っていて、あまりカタルシス感はなかったり、という感じ。

 

 

妖怪ハンター 地の巻 (集英社文庫)

妖怪ハンター 地の巻 (集英社文庫)

 

 

 

妖怪ハンター 天の巻 (集英社文庫)

妖怪ハンター 天の巻 (集英社文庫)

 

 

 

妖怪ハンター 水の巻 (集英社文庫―コミック版)

妖怪ハンター 水の巻 (集英社文庫―コミック版)