長い道

これはもう、平伏す他ない。余人の追随を許さない。重要と思う点をごく粗々にいえば、映画の「この世界の片隅に」では描かれきらなかったものがここにはあると思う。
より静かに(そしてより抗い難く否応無しに承諾させられた結果)押しつぶされたものと、それに対するより静かな情念(それは、本編ではしばしば冗談のかたちで仄めかされるものの、場合によっては気配こそあれど声には決して出されない)、それらへのゆるやかな抵抗(あるいは免疫)としての「日々」、一切を含めた上で、今の在り方に「是」というまでの(あまりにも)長い遍歴の姿。(ともに)生きるとは、こういったことか。

長い道 (アクションコミックス)

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