チャーリー・ブラウン なぜなんだい?

癌になってしまったジャニスとその最大の友人であるライナスの関係を中心としながら、身近な人がある日突然難病になった時、という重い問いを扱った作品。
序盤こそスヌーピーやサリーによる、らしさ溢れる笑いを誘う場面が見られるものの、後半に進むに連れてどのようにジャニスとその病に向き合うか、という問題がクローズアップされ、ジャニスの気丈さや生きたいという意志、それとは対照的な心ない態度をとる人物や、戸惑う家族も描かれ、かなり重め。なので、最後はちょっと唐突にすら見えるような感じだけど。
個人的に印象深いのは、表題の台詞が出る1頁前の部分で、

これまでの、まだみじかい人生のなかでも、ふたりにはいろいろなことがありました。しかし、こんな深刻なことに面とむかったのははじめてでした。

という所。さらっとしている所で、別段どうということもないかもしれないが、本書の中心である問題についてその重さを描きながら、一方でこれまでの彼らの(みじかくも、大事な)日々を軽んじるわけでは決してなく、暖かいまなざしが見える文と思う。

チャーリー・ブラウンなぜなんだい?―ともだちがおもい病気になったとき

チャーリー・ブラウンなぜなんだい?―ともだちがおもい病気になったとき