若冲展

土曜日に行ってきた。TVの特集の影響か混雑は凄まじく、夜間を狙って金曜の夕方に行った時には雨の中120分待ちで断念、土曜は開館30分前に着いた時点で90分待ち、というおぞましい状況。ここまで来ると、整理券配るとか何か手立てを考えるべきではないのか。
しかし環境の劣悪さとは対照的に、出展された絵は悉くが奇跡のような完成度。相国寺からの「釈迦三尊像」と宮内庁からの「動植綵絵」30枚がずらりと並べられた会場には息を呑む他ない。また、ブライスコレクションの「虎図」、「鳥獣花木図屏風」、「紫陽花双鶏図」を目前に見る時が来ようとは。
これらの色彩の妙を見せる作品、かと思えば「売茶翁図」、「糸瓜群虫図」、「竹虎図」(虎図との描き分けが面白い)、「葡萄図」などの水墨画での筆さばき、「伏見人形図」のようなやわらかな人間の描きぶり、とまさに変幻自在、恐るべき腕と言わずにはいられない。
今まで見に行った展覧会の中でもトップクラスの体験だった(混雑もだが)。