闇に這う者

今まで手を出せずにいた領域だが、表紙の絵に引きつけられたので。全編通して、ただ、そこにあるものに足を踏み入れたが最後、といった蟻地獄(ただしドライではなく粘度たっぷりだが)的な恐ろしさが素晴らしい。しかもそれでいて、怪異として語られる側はまるでこちらには興味などはなく、魅入られた人間が一人相撲的に壊れてしまう点など(「闇に這う者」はそうでもないかもだが)。