zabadak プログレナイト2015

プログレ三連戦の最後という訳で昨日はzabadakプログレナイト2015を観に鶯谷東京キネマ倶楽部まで行ってまいりました。会場は小さすぎず大きすぎずといった感じで、割と後ろの方の席だったにも関わらず舞台上がよく見える良い所。
序盤戦こそ「樹海」や「ここが奈落なら、きみは天使」など、プログレというよりどちらかと言えばロックな感じの曲から入ったものの、その後「Poland」をあっさり最初の方でやったかと思えば、まさかの「季節」三連続(圧巻の一言)など意表を突かれっぱなし。
意表を突かれるといえば、強力な演奏陣(今更言うことでもないが、特に難波弘之のキーボード、楠均のドラム、藤井珠緒のマリンバはじめパーカッションはいずれも素晴らしく、目の前で見られてよかった)の気合の入った演奏と、ほぼ毎曲ごとに合間にはいる猛烈にゆるいMCの落差。何だか他のライブの最後に向かって熱気が加速していくのとはまた異なる感じで、とにかく独特。
後半は流石に前半ほどのゆるさではなく、キドキラ公子の「グスコーブドリの伝記」の二人のギター、「コフルヤマ」(ギターを弾かぬ吉良知彦が、「Torio」で叩かなかったBrufordと被って見えたといっては大げさに過ぎるだろうか)、そして「子午線のマリア」からラストの「相馬二遍返し」。実に良かった。
アンコールは何だか周囲の人たちの行動が(ある意味で)洗練されすぎていて動揺する。メインの曲の時とかはあんまり動かず揺れてリズムを数えてすらなかった人たちが、いきなりすっくと立ち上がって手拍子を打つ、というのも他のライブとは全く違う感じ。
今回はじめてzabadakのライブに行ったが、印象を一言で言えば、なるほど、こういうのもあるのか、といった感じ。「プログレ」と銘打ってはいるもののこれまで行ったことのある他のいわゆるプログレのライブとはかなり色が違う。独特の一体感があり、一種の共同体的な形で「場」をつくり上げる、という面が強い気がした。
全体的にはゆるい雰囲気の中でも演奏が兎に角素晴らしく、満足度が高い。一方で今回新しい曲が大半を占めていたが、古い曲も(一夜漬けしたりしたので)聞いてみたかった、というのはある。その辺は3月の30周年記念で、ということなのかもしらんが。