熱伝導

経験値がなくて、(固体の)熱伝導を考えるといった際に全然現象が見えないでいたが、静電気学の言葉に直して考えてみようとしたら(それまでとの比で)俄然直感が働く気分になってきた。方程式が同じなのだから、Fourier則で温度場を静電ポテンシャルに、熱流束を電場に読み替えるのにはじまり、熱伝導も(温度がポテンシャルで、最初と最後の値だけで決まるのだから)等価回路的に考えて良いという当然のことに漸く思い至った(工学の教科書を読めば書いてあるのかも知れないが)。しかし(統計力学という意味では)それなりに近い分野にいたはずなのに熱や熱の伝導のことをろくに知らないで自分に驚く。
たとえばFourier則の微視的な導出(より正確には基本的な原理+一般的な模型から、熱流束の温度勾配比例係数を決める術か)とか、Fourier則の適用範囲(低次元で破れると聞いたことが有るが、他の条件はどの辺りなのだろうか)とか間違いなく蓄積が凄いはずだが。知らないことが多すぎる。