知ろうとすること

対談形式で福島第一原発事故以後の、早野先生の取り組み(twitterでの情報の発信にはじまり、陰膳、ベビースキャン、そして高校生のCERNでの調査発表の支援)を振り返る本(糸井重里はまあ重要ではない)。個人的に唸らされたのは、ベビースキャンの開発。単に(科学的な)正しさに仕える、という方向からはああいったものは決して出てこないわけで。また、高校生に発表させるという話にしても、ちょっと間違うと非常に下品な話になりそうなんだけど、読むと彼らが科学をという手法を用いて世界(これはグローバル的な意味ではなく現象学的な意味)とのつながり方、理解の仕方を得ること、それが生の獲得といった所に直結していることに気付かされてかなり凄い話だと思わされる。それにしても、改めて恐れ入る他無い。

知ろうとすること。 (新潮文庫)

知ろうとすること。 (新潮文庫)