月と六ペンス

40を過ぎてそれまで築いたあらゆるものを投げ打ち、絵を描くことに全てを捧げた獰猛な画家ストリックランドの遍歴をメインの題材としながら、人の多面性とその(単一の社会通念や価値観からの)理解の困難さ、ではその上で生の向かうべきところとは何なのか、などを描いた本。
切れた文章による当時の社会通念や人々への皮肉などもさることながら、やはりタヒチ編の絵の描写が印象深い。

月と六ペンス (光文社古典新訳文庫)

月と六ペンス (光文社古典新訳文庫)