大島弓子にあこがれて

絵は連載時のものなど見たことがないものが多くて興味深い(時代を感じる)。藤本由香里パートの論考は確かに、という感じ。対談はひどい(作品をダシにして自分の話をしているところが実に鬱陶しい)が、一対一のインタビューはかえって面白い(読み手個人が大島遍歴を語る中で、逆に大島作品の本質的な部分が抽出されてくるのが非常に興味深い)。やまだないとの「役割」という言及はまさに本質を抉るものでなるほど、という感じ。本全体としては読む前の予想を超えて、侮れぬという印象。個人的にはASUKA時代の話ももっとしてほしかったが。