オン・ザ・ロード

映画の日ということで日曜に見てきた。中途半端な時間を選んだにも関わらず、満員で驚く。
中身は終戦後1950年前後のアメリカを舞台に、作家志望の主人公サル・パラダイスが、自由気ままな親友ディーン・モリアーティとの時間や、刹那的な快楽そのものとでも言うべき彼らの路上の旅を回想する形で描いた話。
話は予想より面白かった。といっても(ノスタルジックな気分にでも浸るべきという感じの)本筋というよりは、主人公を始めとした作家志望連中達の、書きたいんだが書けない焦燥感からの逃避で旅に出て色々な人々の生活を文字通り「つまみ食い」してメモを書きためてはみるものの結局形にならない、みたいな所とか、「昔は色々やったけどそろそろ落ち着かなくちゃなー」みたいな所とか、作家という仕事(の見せる夢というべきか)と同居した「平凡な邪悪さ」(そしてそこには「帰るべき所」を常にキープしたまま(「遊び」の域を出ないように)「束縛からの自由」を満喫したがるサルと、帰るべき所、確固たる目的を持たぬディーンという本質的な差とそれを利用する搾取とでも言うべき関係というものがある訳だが)が鮮やかに見えた点が。
映像、音楽はともに良かったと思う。