絶対安全剃刀

話とその内容に応じた表現方法の多彩さが光る短篇集。
「はい-背すじを伸してワタシノバンデス」、「いこいの宿」、「うしろあたま」辺りの話はストレートながらきれいに書かれていると思うけれど個人的には「あーはいはい」みたいな所はある。
後、「田辺のつる」は読んでて「夏の夜の獏」を思い出したが、こちらが1980年ということを知って驚く(変な意味ではなく)。
良かったのは「花」(最後の解釈の可能性は二通り?)「裏返しの黒い猫」「午前10時の家鴨」「玄関」(つくづく自分は夏休みの話に弱い)。

絶対安全剃刀―高野文子作品集

絶対安全剃刀―高野文子作品集