読むだけで身につく森内流終盤の技法

森内名人のこれまでの実戦譜(勝局)の中での好手順をピックアップして取り上げ解説した本。解説は見開き2頁の分量相応な上雑なところもあり、似た趣向の「戦いの絶対感覚」シリーズに比べれば、解説の量、質ともに劣ると思うが、150局という分量を集めたことにより、解説本としてはそれなりの価値になっているといえるだろうか。しかし特筆すべきはやはり森内将棋の受けの頑強さ(当然とはいえ常に敵玉を視野に入れた強い受け)で、本当に恐れ入る。良くなってからの手厚い指し方や、特に振り飛車での受けからの反撃や玉頭戦など学ぶべき所は非常に多い。素材は申し分ないところなので、本としての編集をもっと良くしてくれれば超名著になったと思うのでそこが残念。

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