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現代に生きる大山振り飛車

将棋

非常に面白かった。今回通読して、やはり「大山振り飛車」というのは他の振り飛車とは一線を画すものだなと、改めて感じた。藤井九段の解説は、この人しかいないという感じ。中原十六世名人の話も興味深い(が、もう少し分量や、初出の話があっても良かったのでは)。あともう少し幅広い層(例えば米長、内藤、加藤あたり、後55年組とか)から当時の話が聞ければよかったとは思った。

本編で最も驚愕したのはやはり左美濃対策の点。短期間でしかも研究会などがない状況でのあの修正力(修正後は現代の定跡の主要部と殆ど変わらない)ものを出す、というのはちょっと信じがたい。
後は連載時にも思ったが、上手く言った作戦でも連続採用は避けるというスタンス。大山将棋に関しては(特に河口老師などの文章で)、本人の勝負観に重きが置かれた文章とその棋譜などに見る技術的な強さの両極端に関しての文章は多いが、それらの中間に当たるようなこうした記述はこの連載ではじめて見て非常に興味深かった。
しかしやはりその本質は「ごちゃごちゃやってるうちに体を入れ替える」技術なわけで、プロの視点からその恐ろしさ(の一端)が解説されたという意味でも、本書は意義深いものと思う。

現代に生きる大山振り飛車

現代に生きる大山振り飛車