憂鬱と官能を教えた学校

以前テレビで「Schola」を見て以来、技術の辺りをもう少し知れればもっと音楽を聞くのが楽しめそうだと思っていたので、本屋でこれを見つけて即買いしてしまった。

中身は一般向けの講義をそのまま本に起こした、といった感じで取っつきにくさなどがない所は良いのだが、この形態に共通する難所というべきか、余計な冗談や脱線(現実には間を保つのに必要なのだと思うのだが)が頻繁に入るのが気にかかる。あと、本文中でも何度も触れられているが、やはり非常に多くの内容を切り詰め凝縮した講義のために、見た目のフランクさや平易さとは裏腹に結構ジャンプが多いという印象も受けた。モードやリズムに関してもう少しみっちりと聞きたかったという思いが残る。

読んでる間一貫して感じていたこととしては、音を聞きながら本を読めるようになれば最高なのに、ということ。読んでる最中は、常に鍵盤の絵を見ながら自分で音を唸るとかしていたのだが、こういう本こそ電子書籍化して、音源聞いたり鍵盤叩いたりしながら読めるようになるべきと思う。きっと需要あるはず。