2010.03.16

16日

朝から大学行く。昨日の続きとか。

午後になったので件の研究室(U田研)へ向かう。伏字にする意味があるのかどうかはさておき。

感想を一言で言えば、強すぎて心が折れた、というか気がついたら絶望させられていた、という感じ。例えるならば柱の男がドイツ人のマルクにぶつかって、彼の身を割いてしまっても気にとめていない感じ。何だか悪意があるように取れるような例えになってしまったが、そういうつもりはないです。

とりあえず概要。
・理論演習は週1で、いわゆる記念碑的な論文を担当決めて購読。院生と完全に合同でやる。扱いは一緒(20歳過ぎたらみんな同じ、と言われた)。学生はピンキリだが、上は天井はない、大学入学時に博士レベルの人もいるから、ということらしい。実際に担当になるのは一学期一回。ただ原論文読んで、行間ちゃんと埋めて英語でレジュメ作る作業やると、かなり大変と言われた。あと今年から発表は英語でやることになるらしい。ここらで去年の論文リスト的なものを見せられたが、聞いたことがあるレベルのがGrauberのコヒーレント状態に関するやつぐらいだった。あとはダイアグラム使って超伝導見るとかがどうか、という感じ。量子推定とか言われてもてんで分からん。さらにここでも原論文が4ページの人のレジュメが29ページになった、とかいうのを見せられて、精神的に圧迫されまくり。
・論文リストが、かなり広範囲におよぶ感じだったので(量子情報とかから非可換ゲージ理論とかまであった)研究内容について聞いたところ、(この研究室は)理論物理なら何でもやる、物理は一つだから、と言われてここでも衝撃を受ける。格好良すぎ。
・あとはなんかちょっと質問されて答えたりしたが、一瞬でこちらが馬脚を表したというか、程度を見抜かれたようでいきなり質問のレベルが阿呆みたいに下がる。放射線実験のデジャヴでここでも心が折れる
・院に入るまでにやっておくべきことは何か、と尋ねたら、よくある質問ですね(笑)と返され、学部レベルの基礎を完璧に、具体的には大学院入試で8割とかじゃあだめですよ(笑)満点とはいわないが、9割は取れるように。うちの研究室は守備範囲が広いが、こういうふうに基礎を固めておけば対応が可能、とのこと。まあ9割取れない人はいらない説など、噂は聞いていたがやはり目の前で言われると強烈である。
・ダメ押しというやつだと言わんばかりに、メンバーの出身とか書いてある表と共に、うちの研究室は出身も男女も関係なく、実力が全て(ここで表とか見せつつ説明される)と言われる。

まあ冷静になってみると、感じは穏やかそうだったし、資料見せてくれたり、院生室訪ねてみたらいかが、とか勧めてくれたりで親切に応対されたはずなのだが、オーラとレベルの高さが半端なくて圧迫感がありえなかった。この壁に自分から頭を打ち付けたような感じは本当に久しぶり。訪問後、自分には敷居が高すぎたか、とやや本気で反省して上野までふらふら徘徊する始末。

その後は浜離宮朝日ホールイリア・グリンゴルツ無伴奏ヴァイオリン・リサイタルを聞きに行く。偶然とはいえ2ヶ月前に仕込んでおいたこれに救われるとは。曲目は以下のとおり。

ビーバー パッサカリア ト短調
カーター 4つの賛美
バッハ  シャコンヌ
パガニーニ 24のカプリス(No.3,4,5,6,9,14,16,20,24)

研究室訪問の感想書いて疲れたので詳細は略。しかし非常に心洗われる感じだった。