2009.12.31

31日

朝から部屋片付けたり、ちょっとレポの計算やったりした後に、祖母の家へ出かける。後はぐだぐだ食っちゃ寝しつつ年が明けた頃に寝る。

実際は祖母の家から更新できなかったこともあり、これを書いてるのは既に年が明けた後なので、未練がましいことこの上ないのだが、以下2009年のまとめ。主に物理サイドと将棋サイドについて。いつもに輪をかけて女々しいというかウェットな内容なうえ、特に将棋サイドについては専門的な用語も平気で用いていることもあり、よほど物好きかつ学生将棋に造詣の深い方でない限り読まない方が良いかもしれません。

物理の話
・とりあえず名実ともに物理学科へ進学。春休みから夏学期にかけては、他の出来る人の勉強ブログの影響とかで、とにかく本を進めることばかりに必死になっていた印象。当然進まないし、十分ものが分かっている訳でもないので、悪循環気味だった気がする。しかし分からないなりに読もうとしたのも、最善からは程遠いものも無駄ではなかったかもしれない。夏に「現代の量子力学」通して読んだぐらいから、いかに無様でも自分のペースでやるしかない、といったある種の諦観が混じり始めて、落ち着いて勉強できるようになってきた気がする。とはいえ冬学期は今のところ、本を並列で進めだしたのとかが裏目に出て、思うように勉強してはいない。来年院試を控えていることも考えると、あまりにも色々足りなさすぎる。

・幾分か、悪い意味での無気力状態から脱却の兆しが見えた気がする。もちろん普通の人の程度にはまだあまりにも遠いが。物理っぽい話で言えば、ただ体裁を取り繕うのではなく、とりあえず、質問したり、器具をいじったりして、状態が一層悪くなるリスクを犯しても動いてみるようになったということ。なお、当たり前だが、これがプラスの変化だというつもりはない。

・結局読んだ本(途中までのも含む)
 「熱力学の基礎」 清水明
 「量子論の基礎」 清水明
 「解析力学」   江沢洋
 「統計力学」   田崎晴明
 「理論電磁気学」 砂川重信(8章ぐらいまで)
 「量子力学」   猪木慶司・川合光(13章ぐらいまで)
 「現代の量子力学」J・Jサクライ
 「集合と位相」  内田伏一(全然ちゃんと読んでない。四分の一程度)
 「多様体の基礎」 松本幸夫
 「場の古典論」  ランダウ=リフシッツ(全然読んでない。§25とかまで)
 「連続体の力学」 巽友正
 「固体の場の量子論」ハーケン(ゼミの教材。§28とかまで)
 「線形代数と群の表現1」平井武(全然読んでない。3章ぐらいまで)
 「相転移・臨界現象の統計物理学」 西森秀稔 (半分程度。4章途中まで)
 「Quantum Field Theory」Ryder (この間読み始めたばかり)
 「Solid State Physics」Ashcroft/Mermin (この間読み始めたばかり)

とかか。というかあれだけ授業とか馬鹿にしてるのに、結局読んだ本の範囲は授業でやる内容とまるで変わらないのね。はあ。そもそも量が絶対的に少ないし。とはいえ一年前の駄目さ加減を思えば、蝸牛のような進み具合とはいえ進歩はしてるのか。周りを見ると遅さに気づいて嫌になるけれど。まあそれでもやるしかない。

・ぼちぼち進路を考える必要がある。いわゆる凝縮系か非平衡か。勉強が進んでないので、これが研究してみたい!みたいなのがすぐ出てこないのが最大の問題点。






将棋の話(今期冬季全国大会を中心に)
・兎にも角にも三年がかりの全日がようやく一段落ついた。天災あり、人災あり、といった感じで、及第点レベルのことが出来たとは、口が裂けても言えない有様だったが、一年間樹海行きにならずに住んだのはひとえに周囲の人の助けのおかげとしか言いようがない。3年間通して学んだのは、自分は本当に駄目な奴で、一人で解決出来ることなんてありゃしないのだから、人に頭下げて、手なり知恵なり貸してもらうしかない、ということに尽きる。
・将棋を指すプレイヤーとしては、もはや完全に終わったな、という感がある。この一年は、物理に大半の時間がとられ、全国大会の前には全日の雑務も入っていたため、将棋の勉強に一日のうち、ある程度の時間を割く、といった状況では全くなかった。古新戦でも、1,2年の時に比べると自分のモチベーションがはっきりと下がったことを感じる。もちろん出るからには、自分、より正確には自分の同期のチームで優勝したい、という気持ちはあるが、それを思うにはあまりにも将棋に対して真面目に向かえていないという事実がある。以下に今季冬季大会についての雑感めいたものを述べるが、あまりにも綺麗に、というか完全に将棋人生の区切りを感じてしまった今、将棋を来年自分が指しているところをちょっと想像できない、というのが本当のところである。


・そもそも自分が全日の話を引き受けた理由の一つは、(お世話になっていた人からオファーが来たというのもあるが)専門に進んだときに忙しさから将棋部から離れてしまいそうで、それが怖かったために、無理矢理にでも将棋部、とくにその醍醐味でもある全国大会に接する機会を作って自分に制約を課そう、というものであった(今見れば、無茶苦茶な話であり、そのせいで多くの方に迷惑がかかったことは申し訳ないが)。しかし、実際の状況はそのような目論見からは大きく外れたものとなった。一年の頃は大した仕事もしていなかったため、全国大会中でも多くの時間を自分の大学の将棋部の人とほぼ同じように過ごせたが、役職が変わり、次第に雑務が増えるようになると、必ずしもそうはならなくなった。時間的制約もさることながら、その仕事の性質上、かなり中立の立場的な意味が強く、そのせいで今までにはなかった制約が自分に加わるようになった。一例を上げれば、全国大会では出場選手の記入されたオーダー表を事前に回収するのだがやはり他大の方にとっては、たとえレギュラーではなくとも対戦する可能性のある大学の人間に見られるのは不快だったようであり、提出の際不快そうな素振りを見せられたことが何回かあった。このようなこともあって、次第に大会期間中自大のオーダー会議などには出ない方が正しいのではないのか、と思い、ミーティングこそ出れど、オーダー決めの場面にはあまり残らないようになった(もちろんそれが他大の方にわかるわけではないのだが)。また、今年に至っては、そもそも、大会進行のためと、問題が起こった際のためということから、受付に束縛される時間が多かったため、実際の対局中も自大の様子を見に行けてはいない。
この結果、特に今年一年は、自分の立ち位置は、中立を名乗るにはあまりにも自大に肩入れされたものであり、自大の応援団というにはあまりにも貢献度が低すぎる(戦型チェックなど出来たのは1年の夏のみである)という、非常に微妙なものであった。

・もちろん、上に上げたような状況は、個人の能力、というか気質的な面が招いたものが非常に大きいということはいうまでもない。ただ、全国大会に多く出ている大学から、役員候補を出すべきだ、という単純な主張は、このような「きまりの悪さ」を不可避にするという印象がある。過去の例では、委員長と自大の主将を兼任していたという例もあるようだが、どのようにして、成立させていたのか興味のあるところではある。

・そんな訳で今年一年は、全国大会に対して、非常に正直に言えばあまり正の感情を持って接することができなかった。これにはもちろん、上で書いた天災(例えば学名の際の新型インフルエンザの問題)、人災(これについては言わずもがな)、そして自分自身の不手際による諸問題などがあるのは言うまでもない。しかし、それを抜きにしても、あまりに自分の立ち位置は不安定であった。

・もう少し自分に絞った視点で見ても、特に3年生になってからは忙しさゆえ毎週土曜の研究会にも大会の前に調整で顔を出せるかどうか、という感じであり、将棋で貢献することは愚か、他の形でも部に貢献できてないが故に、全国大会で応援することにも、後ろめたさを全く感じなかった、といえば、嘘になるといった感じであった。

・このような状態で、今年の冬季大会も始まったわけであるが(特に、前半の十傑戦と女流戦の時は本当にひどかったが)、王座戦最終日、事実上の優勝決定戦である立命戦を見ている際、それまでと違う自分の感情に気づいて、驚いた。

・それは未だに上手く説明できないのだが、あえて簡単にいえば、とにかく彼らに勝って欲しい、というものであった。この時は、今まで考えてきた様々な余計なこと(要は上で述べたようなこと)とかはまるで考えておらず、その上どちらかというと、団体戦で勝つというよりは、各個人一人ひとりに勝って欲しいと思っていた気がする(通常自分は、かなり強く団体戦≠個人戦×7と思っているにも関わらず)。

・結局前日までの良い流れを維持したまま続けざまに自大側の(上と矛盾するようだが、説明の便宜上この書き方を用いる)勝ちが決まり、絶望的と見られていた、大将戦、7将戦も逆転、チームの6−1勝ちが決まった。

・直後の自分は、うかされたように周りの人と何かしゃべっていたような気もするが、よく覚えていない。全対局終了後はすぐに、大会進行という現実に引き戻された。

・表彰式は客観的に見て、相当無様だったと思うが、自分にとってはずっと忘れえないものであると思う。

・打上の後も、自分はすぐに部屋に戻って寝てしまった。前にも書いたが少しもったいなかったような気もする。

・翌朝、目が覚めて、既にすっかり日が登った空を窓から見たとき、すべて終わったんだな、というフレーズが自然に頭の中に浮かんだ。この時点で、結論は出ていた気がする。

・最後ではあるが、今回このような場に居合わせられた幸運について、将棋部の方々に心から感謝したい。特に大学に入ってから、将棋の神様に魅入られた人という存在をはっきりと確信させてくれた某氏と、悩みながらも(その一端すらも自分は知らないのだろうが)前にたってこのようなチームを作り上げた現主将という、同期二人にはそれを表す適切な言葉を思い当たらない程感謝している。