将棋

 昨日のA級順位戦ですが結局
森内九段●−○佐藤棋王
郷田九段○−●三浦八段
山九段○−●谷川九段
木村八段○−●深浦王位
藤井九段○−●鈴木八段
 で、郷田九段が大きく挑戦に近づきました。とはいえ最終戦が郷田ー木村の直対のため木村勝ならプレーオフ、加えて佐藤勝ちの場合は3者プレーオフとのことでまだまだ挑戦者争いは先が見えません。
 一方(個人的にはより興味のある)降級争いですが3−4対決を制した藤井九段、丸山九段は残留確定、降級候補は鈴木八段、谷川九段、三浦八段、深浦王位に絞られました。
 最終戦の鈴木ー谷川戦の敗者が降級確実、深浦王位は負ければ降級、勝っても三浦八段が勝てば降級となかなか厳しい状態です。しかし三浦八段の相手が順位戦に圧倒的な強さを誇る森内九段ということもあり、実際は勝てば助かり、負ければ落ちるという完全自力に近いのではないでしょうか。3度目の頭ハネは可能性が低いように思います。

で、昨日の鈴木ー藤井戦。
 先手の3手目▲7五歩に対し、後手は△3二飛。目新しいように感じられますがこれが通るのなら△3四歩止めから端攻めの余地が残るので従来の形より得な気がします。

 本譜は▲4八玉を見て△3五歩▲2八銀を決め、先手の囲いを金無双に限定。
以下浮き飛車に構え▲7六飛を誘ってから銀冠を目指したのが流石の構想で先手は銀冠を攻めるためには再び飛車を引かねばなりません。以下進んで△7四歩と動いたところ。

以下▲同歩△同飛に▲6七銀と引き、△7三桂▲5六歩△4二銀に結局▲7六歩と打つのではやはり手損がひどく先手失敗といえそうです。
進んでここでの▲7六飛が攻め形を作りにくくした手で良くなかったのではないでしょうか。

▲5七角、▲7六銀、▲7七桂、▲8八飛のような形を目指す方が後手も気持ち悪い気がします。以下先手のぎこちない駒組みに対し後手は悠々4筋の歩を変えここではプロレベルではかなりの差が付いているのではないでしょうか。

以降は暴れる先手の攻めをいなし、反撃を決めて藤井九段が快勝。最終戦を前に残留を確定させました。
 相振り飛車は序盤の駒組み一つでかなり差がつくといったことがままあり、藤井九段の巧みな駒組みが参考になります。