読んだ本達

10月終盤から今日までに読んだ本達。感想を書くタイミングを完全に逸したがメモのみ。しかし漫画ばかりだな。

勝負論 大変良い。前著は著者が自身の生き様を伝えようとする面も大きかったが、今回はより長期的な視点で自身が常に成長していき、最終的に「勝ち続ける」ための考え方が抽象化されており読みやすい。何か創造的な分野で「勝ち続けたい」人には強く進められる本。

職業としての学問 
プロとして学問をやること、チープな学際への批判、学問を安易な熱狂の対象としてしまわぬこと。

職業としての学問 (岩波文庫)

職業としての学問 (岩波文庫)

ジョジョリオン 5
ギャグとして読むべきなのだ、ということに気づいて気が楽になった。


問題解決プロフェッショナル
今となってはだいぶ人口に膾炙した感がある、が。最後の実例は具体的で興味深い。

新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術

新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術

岸辺露伴は動かない
時を経るとともに面白くなくなっていく度合いが凄い。最初の「懺悔室」とか、前に読んだ時はめちゃくちゃ面白かったのだが。今となっては見る影もなし。

アラベスク
想像以上に良かった。前半は骨董品物のスポ根で不安になる(一方でノンナの豆腐メンタリティが自分と被り過ぎて嫌になりつつも共感できてしまう。これぐらいヘタレでないとピンと来ない)が、位一部終盤のフランス編はベタベタとはいえ良いし、二部に入って作者節前回の厄い感じも加速し、結構楽しめた。テレプシコーラも読みたい。

アラベスク (1) 第1部上 (白泉社文庫)

アラベスク (1) 第1部上 (白泉社文庫)

つながりの進化生物学
想像以上に面白かった本その二。動物の観察を通して、人間の言語や感情の起源に迫ろうとする試みが平易に語られる。恥ずかしながら外的な刺激への応答である情動を自己認識することで感情が生まれる、とかミラーニューロンなどろくに知らなかったのでかなり面白く読めた。本筋の内容以外にも、著者の飾らない感じやさし絵も相まってあたたかみのある本になっていてポイントが高い。朝日出版社は一般向けに専門的な内容を解説した良い本を複数出してくれて非常に有難いので、今後もこの方向を続けて欲しい。

「つながり」の進化生物学

「つながり」の進化生物学

異邦人
上の本で挙げられていて気になったので再読。最後の独白がクライマックスだが、やはり「他者」を扱えていないと感じる。ムルソー的世界観では、今自分が(銃を持った相手に何の気なく殺されずに)生きられているのはなぜなのか、という問いに答えられていないという印象。

異邦人 (新潮文庫)

異邦人 (新潮文庫)

かくりよものがたり 1
先日無性に封神演義が懐かしくなり、本屋で見かけて買った。が大いに不安になる展開。やはり原作が必要なのか。

おもいでエマノン
あらすじにつられて買ったら、大いなる誤解であった。人類誕生からのあらゆる記憶を保持、みたいに書いてあったが実際は直系の記憶しか受け継がない、ということなので雑な計算をしたら人類誕生からの全歴史に比べるとε程度のものに過ぎないことが分かりまずそこで肩透かしを食った。まあそれはさておき、記憶を受け継げるとなると不老不死の変異種みたいなもんで、吸血鬼もの的な興味を唆られる訳だが、エマノンのその辺の疎外感については主人公は完全スルーな上に最後に至っては「平凡な自分の記憶が人類全体の歴史に刻まれて光栄」とか寝言をほざいていたので(このさえない男がろくに考えもせずいい気分になった、というだけの話なのか)、かなりふくれた状態で本を置く。本筋は相当酷い部類に入るが、絵だけは大変良い。それだけが救い。

おもいでエマノン (リュウコミックススペシャル)

おもいでエマノン (リュウコミックススペシャル)

世界史の中の資本主義
現代世界の状況がブローデルの「長い16世紀」と類似していることに注目し、その原因がモノ、カネの「過剰」とその帰結としての資本主義の金融化にあること、を根底に流れる共通テーマとして、資本主義経済、エネルギー問題、食糧問題、社会システムという4分野において考察を行った本。1章と4章が比較的興味深かった(というか2章と3章はデータこそ挙げたりしているが、議論に深みはない。要点だけ言えることをだらだら書いている印象)。

世界史の中の資本主義: エネルギー、食料、国家はどうなるか

世界史の中の資本主義: エネルギー、食料、国家はどうなるか

行人
予想よりも一郎が大分ナイーブだった(中学生ぐらいの印象)ので若干期待外れに終わった。

行人 (岩波文庫)

行人 (岩波文庫)