美術館

2020年の思い出

2020年はコロナを筆頭に外部環境が目まぐるしく変化し、それにまごつき戸惑う中で、あっという間に過ぎてしまったという印象の一年であった。 研究に関しては、年も終わりが見えつつある11月頃に、立て続けに論文の採択が発表されたが、土壇場の状況変化によ…

2019.04.07

入手したタダ券の期限が切れそうなので、慌てて上野の「奇想の系譜」展へ行く。 最終日で相応に混んでいたが、信じがたいほど良い展覧会だった! 例によっての慢心でちゃんと予習したりせずに臨んだが、二世紀ほど先を歩んだような蕭白の「群仙図屏風」の衝…

箱根旅行

珍しく8月に休みをとって、家族の祝いのお供で箱根に行ったのであった。 直前まで東京は鬼のような暑さでどうなることかと思ったが、奇跡的に日が陰って大変過ごしやすい気候になったので楽しく過ごせた。 とはいえだらだら歩いて回ったというだけで、ポーラ…

ミラクルエッシャー展

7月の会期終了間際に行く。金曜夜とかに行くが、おぞましい混雑具合で辟易。 いわゆる「だまし絵」以外の側面を含めてエッシャーを紹介する、という非常に奥行きのある展覧会だったと思うが、印象に残ったのは「婚姻の絆」や「メタモルフォーゼ」などといっ…

プーシキン美術館展

タダ券を手に入れたので先週行ってきた。が、こちらのピントが合っておらず、思ったほどではなかったか。気に入ったのはコルテス「夜のパリ」、シスレー「霜の降りる朝、ルーヴシエンヌ」(「ダージ」のジャケか、とか言いたくなってしまう)。

至上の印象派展 ビュールレ・コレクション

先日行ってきた。終盤かつ連休だったのでえらい混みようでしびれた。 しかし、中身は当初の予想を上回るものであった。初っ端のフランス・ハルスの「男の肖像」の印象派との類似性、という指摘であるとか(デカルトの肖像画の作者か!ということに後に気づく…

-2017.11.25

バタバタし通しでまた1ヶ月ほど放置してしまったが、備忘のため。 昨年に続き、出張であった。昨年は極寒の地に行く羽目になったが、今年は場所、時期共に大分過ごしやすい時期に行けて良かった。ただ、ベルギー、オランダ、ドイツなどを行き来する、例によ…

アルチンボルド展

先週末に滑り込みで行く。「四季」と「四大元素」を間近で見る、という趣旨であったが、その点では満足。人もほどほどだったし。 「四大元素」だと「水」がよく取り上げられる印象だが、個人的には「大気」も結構好き。 「四季」だとやはり「夏」か。「春」…

ダリ展

昨日夕方に行く。夕方なら空いているだろうと踏んだが、全くそんなことはなく50分待ち。 今回の展覧会で驚くほど様々なジャンルの作品を見て、非常に多芸という新しい印象を受けた(映画もそうだし、「不思議の国のアリス」や「ドン・キホーテ」の挿絵を描い…

ルノワール展

終了直前の昨日見てきた。予想を上回る良い展覧会であった。出展ラインナップが豪華なことに加えて、配置や説明もルノワールの変遷を非常に明快に見て取れるものであり、見終えた後の充実感が残るものだった。 いわゆる印象派としての光の描写から、古典的な…

カラバッジョ展

少し前に行ってきた。カラバッジョ本人の作品は必ずしも今回展示された作品全体に対して多くを占めるわけではないのだが、悉くが強い印象を残すものであり、さらにフォロワー(カラヴァジェスキというそうな)と対比されることで、その見事さが際立つ形とな…

若冲展

土曜日に行ってきた。TVの特集の影響か混雑は凄まじく、夜間を狙って金曜の夕方に行った時には雨の中120分待ちで断念、土曜は開館30分前に着いた時点で90分待ち、というおぞましい状況。ここまで来ると、整理券配るとか何か手立てを考えるべきではないのか。…

ボッティチェリ展

タダ券を使えるラストチャンスだったので昨日行く。大変素晴らしい。 第1章が、「ボッティチェリの時代のフィレンツェ」という、本人の作品ではなく彫刻とかも含めて同時代の作品をまとめたものだったのだが、そこからとても良かった。カメオの精巧さといい…

鳥獣戯画 京都高山寺の至宝

最終日滑り込みで行ってきた。甲巻を見るのに140分待ち(!)というおぞましい状況ではあったが、これでも入場待ちはなかったし、天気にも恵まれたので先週ほど悲惨な状況ではなかったよう。これについては(文句を)後述。 内容としてはメインの鳥獣戯画だ…

ルーブル美術館展

日曜に行った。あまり馴染みのない風俗画がテーマということで、行く前にやや逡巡したのだが、良い絵が多くて非常に行ってよかった。まさにリアル「まなざしのレッスン」(実際ボージャンの「チェス盤のある静物」やマセイスの「両替商とその妻」なども間近…

若冲と蕪村

先週行った。今年で生誕300年、同い年の若冲、蕪村の絵を一度に見られるという贅沢な展覧会。この二人、年が同じというのも知らなかったが、一時期京都でご近所に住んでいて、にも関わらず交流の跡が見られない(発見されていない)、というのを聞くと非常に…

マグリット展

土曜に友人と行く。大変密度の濃い展覧会で、2時間半ぐらい書けてみっちり見る(珍しく人と一緒に見に行ったので、その場で話をしながら見られたのも理解や考えを整理するのに良かった)。素晴らしい展覧会だった。以下メモ。 ・全体を通じて、実在とその認…

萩尾望都 原画展 〜『銀の船と青い海』出版記念〜

当初は行く予定がなかったのだが(前にリブロであった時も見送ったし)、宣伝で見た物販Tシャツのポーの一族の絵が素晴らし過ぎて、急遽ゲットしに行く。 会場はリアルタイム世代が大多数でアウェー感ありありだったが、まあ好みのものの大概がこういう感じ…

ウフィッツィ美術館展

こちらも最終日の昨日行ってきた。美麗さとどろりとした暗さが同居する、非常にイタリアらしい(と感じる)絵が見られてよかった。気に入ったのは ギルランダイオ「聖ヤコブス、聖ステファヌス、聖ペテロ」(重厚かつ壮麗)、ベルジーノ「聖母子と二人の聖人…

日本国宝展

今日が最終日ということで行ってきた。予想されていたことではあるがさすがにある程度混雑は免れず。今回は信仰がテーマだったのか、それにまつわる作品が多くを占めていた。気に入ったのは「地獄草紙」、「阿弥陀聖衆来迎図」、「僧形八幡神坐像」、「玳玻…

軽井沢千住博美術館

家族と近くに行ったので。鹿とか滝とかよりは、若いころの方の絵が良かったか。Dayfall/Nightfallとか、The fall roomは言われてみればという感じだけれど。最も良かったのは「フラットウォーター」。後、ガラス張りの壁と外に木々の生えた独特なデザインの…

ボストン美術館浮世絵名品展 北斎

先週行ってきた。終了日間際というだけあり、混雑が凄まじかったが絵の充実が大変素晴らしく(特に二階の作品が良かった)、本当に行ってよかった。(おそらく)今年のベスト。 気に入ったのは、「菖蒲に鯉」、「富嶽三十六景 駿州江尻」、「諸国瀧廻り 和州…

ボストン美術館 華麗なるジャポニズム展

昨日行ってきた。会場の世田谷美術館は砧公園の中にあるのだが、公園は緑の中で子供連れの家族も遊びに来てたりしてて穏やかな雰囲気があり、入る前から印象がよい。 行く前は(例によってよく調べもせず)、いわゆる悪しきオリエンタリズム的な作品だらけな…

オルセー美術館展

先週行ってきた。前回のオルセー展との被りもいくらかあった気がするが、マネやカイユボットなど見たことない絵が見られてよかった。 気に入ったのはマネ「笛を吹く少年」(べたっと平面的なのに存在感が凄い)、カイユボット「床に鉋をかける人々」(色、光…

台北 國立故宮博物院−神品至宝−

実家から前売りを手に入れたので東京国立博物館にのこのこ行ってきた。 が、混み具合が酷すぎる。大きな見どころの「翠玉白菜」を見るために外で二時間、中で三十分待ちとかで、実際に間近で見れるのは十数秒とかそんなん。これに並んだ後に平成館に向かった…

こども展

終了直前ということで行ってきた。天気が悪かったせいか、さほど混雑はなく快適に見ることが出来た。ただ、会場の森アーツセンターギャラリーは、警備員とかエレベータの案内員とかやたら過剰で気詰まりな感じを受けたためあまり好みではない。あと(これは…

大浮世絵展

昨日行ってきた。例によって最終盤の土曜なので混雑がひどく、落ち着いて見る感じではなかったが、展示数も多く、何よりまとまって浮世絵を見る機会がこれまでなかったので行って非常に良かった。自分の好みが(今回の展示の前半の時期なら)流麗な線と豪華…

三菱一号館美術館 名品選2013

先週行ってきた。 去年のルドン展との被りも多かったもののかなり楽しめた。ロートレックの格好良い絵を多く見れたのとモーリス・ドニの絵の魅力を知ることが出来たのが個人的にはとても良かった(これまではナビ派の絵に全然ぴんと来なかったので)。来年の…

ターナー展

昨日行ってきたが、かなり良かった。東京都美術館の展覧会は絵が少ない印象があったけど今回は展示数も多いし、なにより絵が素晴らしかった。精細な建造物の書き込みと、光の同居が非常に良い。今回まとまった数を見れて、これまでの「何か構図がどれも似通…

プーシキン美術館展

一月前に行ってきた。みなとみらいは想像以上に綺麗で感じのよい所だった。17世紀以降の美術を歴史に沿って見せる構成で、各時代における絵の特徴の対比をはじめ説明が親切で分かりやすい。気に入ったのはドガ「バレエの稽古」、ロワール「夜明けのパリ」。…