妖怪ハンター

過去に読んでいる部分もありつつも、「地の巻」、「天の巻」、「水の巻」(最も古い「地の巻」から時系列順になっている)に通して読むのは初めて。 しかし、出来栄えとしては、やはり最初の「地の巻」が一線を画している。なかでも「生命の木」(この前遠藤…

囲碁AI新時代

囲碁はルールも分かっていない程度、ということもあったのだが、千田五段のプッシュも見て、読む。1章、2章の具体的な部分は予想通り理解は難しかったが、著者の文章自体はかなりわかりやすく(今の囲碁AIが得意とする「大局観」的な部分と「局所の読み」…

ゲームの教科書

生々しいスケジュールが載っている所をはじめ、開発者になりたいと思っているキッズには一定程度興味を引く部分もありそうな気もするが、全体としては中身は薄い。 ゲームの教科書(ちくまプリマー新書) 作者: 馬場保仁,山本貴光 出版社/メーカー: 筑摩書房…

図解 次世代火力発電

汽力発電とかCCSの素養がないので不安にかられて読むなど。比較的情報は新しく(次世代火力ロードマップを受けてなのでそれはそうだが)、まとまっているので参考にはなる。 図解 次世代火力発電-環境性・経済性を両立する実用化への道- 作者: 高橋毅 出版社…

統計力学Ⅱ

まさかの、といった感じであるが、「Ⅰ」を読んだ後もちまちまと読んでいたのが、先週ようやっと最後まで再び行ったのであった(体調不良とか、年明けから時間確保がまるで出来ない期間が続いたりでぼろぼろだったり、とかもあったのだが)。 下巻も相も変わ…

すばらしい新世界

最近新版が出ており、読んだことがなかったので手に取る。今となっては、これが平常営業だからなぁ、的なところは割とあり。ただ、Counterpartとして「シェイクスピア」とか言われると、思い入れ(それどころかろくにあらすじを知らないというのもあるが)が…

イノベーションはなぜ途絶えたか

前半(特にSBIRの説明のある2章)は参考になるが、後半はあまり。 イノベーションはなぜ途絶えたか: 科学立国日本の危機 (ちくま新書1222) 作者: 山口栄一 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2016/12/06 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る

数学セミナー 4月号

数学セミナーで詰将棋の連載が始まる、というので手に取ったのだが、その他の記事も実に面白かった(といっても気軽に読めるものしか読んでいないが)。門外漢向けにシフトしたのかもしれないが、相当興味を惹かれる雑誌という感じ。以下メモ。 ・特集の「数…

レッド 最後の60日 そしてあさま山荘へ 4

あまりにもおぞましいが、まだ終わらない。 レッド 最後の60日 そしてあさま山荘へ(4) (イブニングコミックス) 作者: 山本直樹 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/02/23 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る

ルポ トランプ王国

これは大変良い本であった。なぜ「本音」であることが重要なのか、なぜ実業家であることを重視するのか、なぜ「反エスタブリッシュ」なのか、そしてなぜ(実際は必ずしもその実現性を信じていないにも関わらず)「変わる」ことを志向するのか、ということに…

僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう

立ち読みして大半読んでしまったので。 感想としては、元となるコンセプトに対する本としてはかなりいまいち。はっきり言えば失敗。ただし、呼んできている人が凄いので、一部面白い。 まず題名とコンセプト(いわゆるすごい人でも、昔はそうでもなかった、…

銀河英雄伝説 5

戦いが起こらないほうが面白い気がする、ということで今回はそれ程でも。 銀河英雄伝説 5 (ヤングジャンプコミックス) 作者: 藤崎竜,田中芳樹 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2017/02/17 メディア: コミック この商品を含むブログを見る

ぼくの地球を守って

先週の「白泉社kindle本全品50%セール」という恐ろしすぎる(財布にとってのブラックホール的な意味で)*1ものが発生した結果(の一つ)。最近のストレスフルな生活の反動で、毎晩2巻ほど読んで昨日漸く読了。長年の積み残しであり、また一つ思い残しが消化…

真理の探求

年末に読んで以来、ずっと書かねば、と思いつつバタバタしたり自分の中ですっきり腑に落ち切るまでに時間を要したりで、こんな時期になってしまった。 「仏教と宇宙物理学の対話」という副題からして、著者名の記載がなければ妖怪アンテナが立ちそうな題材に…

旅先で読むその2。「過去は…バラバラにしてやっても石の下から…」的な話(を牙を抜かれたような格好になっている主人公と、罪悪感に苛まれ続ける妻とを中心に描く)で、3部作の中で一番好きかもしれぬ。 最後の禅寺に行く件が取ってつけたよう(でよろしく…

Flowers 3月号

ポーの一族の続きを読む。予想だにせぬ新展開(と奇妙さ。アランはどことなく、やや軟着陸の方向を見せつつの気がするが、やはりエドガーの魔法が解けた感は如何とも)に、年表的に本当に1940年代なのか?とか訝しむが、本編後に年表が出てきて、スタートか…

回避性愛着障害

少し前にふと思う所あって読んだが、占い師か、と言う程ずばりずばりと言い当てられるようで(巻末のテストも合わせて)、大変いたたまれない気持ちになった。 本としては、事例で出て来る人がやたら芸術や哲学・文学系なこと(個人的にはホッファーの例が印…

狂気の山脈にて 2

旅先で読む。静的な性質の画が、物語の粘度の高い恐ろしさに実に合って、良い。 狂気の山脈にて 2 ラヴクラフト傑作集【電子特典付き】<ラヴクラフト傑作集> (ビームコミックス) 作者: 田辺剛 出版社/メーカー: KADOKAWA / エンターブレイン 発売日: 2017/01…

最後の秘境 東京藝大

年末に実家で読む。キャッチーな宣伝文句から当初本屋で見た時は軽視していたが、某所での「みすず」への推薦文を見て読むことに。 内容としては、妻が芸大生だが自身は芸術に関しての専門家ではない筆者が、芸大の学生へ行ったインタビューをメインにして、…

茄子 1

作者の巻末のコメント曰く、茄子より「ナスの漫画書いて我々をメジャーにしろ、タマネギよりもメジャーにしろ」とのお達しを受けて書かれた本作。 茄子はさておき、出て来る人たちの、ひねた感じと青臭さの同居する感じ(若者だけでなく、中年のおじさんも)…

諸星大二郎の世界

「研究序説」と銘打たれた文の集積は率直に言えば面白くないものだが、書棚公開、ともなれば読まぬわけには行かず、という所。膨大なレパートリーでありながら、かつ整然。後は山岸凉子との対談で二人揃ってキング・クリムゾンが好き、という発言が見られた…

シェール革命と日本のエネルギー

米国でのシェール革命から昨年ぐらいまでの国内の動きまでを題材に、天然ガスをめぐる業界の動向について非常に明快な解説を与えた本。視点についても広く、バランスが取れており新書のボリュームながら満足度は高い。改訂版 シェール革命と日本のエネルギー…

ジョジョリオン 14

なんだか何と言ってよいのか良く分からん(またダラダラモードなのだろうか?)。ところで荒木先生によるダモさんの元ネタへの言及と表紙の気合の入りよう(さらにカバーを取った後)と、(広義の)表紙のクオリティは屈指ではないだろうか。ジョジョリオン …

その後の不自由

これは非常に得難い本。 ひどく傷つけられ損なわれた自己を、どのような形で形作っていくのか。単純な「ある時点からすぐに普通の状態に元通り」といった「回復」像ではなく(本書の表現を借りるならば、回復とは回復し続けること)、自らの身体の発する応答…

乙嫁語り 9

前巻からそうだが、近所の爺婆のような気持ちで、良かった、本当に良かった…などと思いながら見ている。 (ビームコミックス(ハルタ))" title="乙嫁語り 9巻 (ビームコミックス(ハルタ))">乙嫁語り 9巻 (ビームコミックス(ハルタ))作者: 森薫出版社/メ…

統計力学1

この期に及んでまさかの。と言った感じではあるが、9月頃から思うところがあってちまちまと読んでいた。当初は1月ぐらいでさくっとのつもりが、劣悪フェーズに入ったり体を崩したり、遊び呆けているうちにあれよあれよと年末になってしまったのだが、2週ほど…

それから

何だか先日急に読まねばならぬような気がして、慌てて読む。思ったより遥かに鍛えの入った主人公の高等遊民っぷり(これが予想よりも話の中心に近いことにやや驚く。登場人物に対する「普段は何をするでもなくフラフラしている」といった紹介程度の話かと思…

相模原事件とヘイトクライム

内容は必ずしも濃密、というわけではないが改めて打ちのめされる。相模原事件とヘイトクライム (岩波ブックレット)作者: 保坂展人出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2016/11/03メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見る

数学まなびはじめ 2集

某所の紹介を見て興味を持って手に取ったが、これは素晴らし過ぎる。正直外れがない。 どうして(肝心の数学の中身がろくに分からないにもかかわらず)数学の人の文章はこれほど心打つのか(類似のコンセプトのものとして、「数理科学」の連載時に「物理の道…

長い道

これはもう、平伏す他ない。余人の追随を許さない。重要と思う点をごく粗々にいえば、映画の「この世界の片隅に」では描かれきらなかったものがここにはあると思う。 より静かに(そしてより抗い難く否応無しに承諾させられた結果)押しつぶされたものと、そ…