映画

2020年の思い出

2020年はコロナを筆頭に外部環境が目まぐるしく変化し、それにまごつき戸惑う中で、あっという間に過ぎてしまったという印象の一年であった。 研究に関しては、年も終わりが見えつつある11月頃に、立て続けに論文の採択が発表されたが、土壇場の状況変化によ…

2019年の思い出

長すぎる空白の時期であったが、また記録をつけねばと思う。何よりも自分のため。このままだと本当に、日々の記憶があやふやのまま、波に溶けて流されてしまいそう。 後々もう少し詳しく振り返りたくあるが、2019年は(本題の)研究云々も実務・生活関連も荒…

2019.05.21-26

ろくでもない予定の組まれ方をしているので、良い天気なのに溜まるフラストレーション。ストレス解消に読めもしない本をしこたま買い込んでいる。 ローソンのマチカフェで、何も考えず手にとった「窯焼ポテト」が文字通りの「まるごとスイートポテト」で、食…

見た映画たち

今度の学会発表を控えて尻に火がついていた(スライドは漸く作ったが練習がまだ)のでまた期間が空いてしまったが備忘のため。 ■七人の侍 6月に午前10時の映画祭で。見るのは二度目か。期間をあけずに、でかい画面で見られるのは有り難い。前回よりもかなり…

ニンジャバットマン

天気にせよ行事にせよ何かと気が滅入る季節である6月ではあるが、その中での精神安定要素の一つとして期待するところ少なくないものがあったこの作品(バットマンには詳しくないのだが)。 感想としては、ともすれば我に返って疑問符を浮かべてしまいそうに…

太陽がいっぱい

連休中に日本橋で見る。 見ている間はアラン・ドロンの超絶美にひたすら感嘆することしかしていなかったが、どうも終わってから調べた所、色々含むところのある映画である(ボートで隔離の結果、リプリーがひどく日焼けするのが、とか言われても全く見ている…

麦秋

3月の繁忙期に見る。冒頭に始まり、なんでもないような日常を飽きさせずに見せる手腕と、口には出さねど通底して流れる戦争の痕、というだけでも見た絵画と思いきや、最終盤の唐突にも見えかねる結婚からの、音を立てるような「家族」の終焉と最後の余韻。こ…

スターウォーズ 最後のジェダイ

昨年末に見。今までの作品の暗黙の前提の悉くに対して、「それって別に自明じゃないですよね?」みたいな角度からのアプローチを行う作品。苛々する人がいるのも分からんではないが、個人的には大変あり。

戦場のメリークリスマス

2ヶ月ほど前に午前10時の映画祭で見。 大筋を一言で言うならば、遅れてやってきた少女漫画、という印象であり(本筋もそうだし、セリアスの過去の入り方のある種不思議な感じとかも凄くそれっぽい)、これだけであれば特筆すべきものはないのだが、(その…

「この世界の片隅に」爆音上映

尻に火がついた状態なのだが、かねてから予約しておいた枠なので早引けして丸の内ピカデリーへ見に行く。音が実に強力(もちろんこれは必ずしも、戦争の場面のものだけを意味しない)、というか音がこの映画において、かなり重要な要素を担っていることを再…

天国と地獄

一昨日日本橋で見てきた。黒澤明の映画を見始めるきっかけとなった以下の動画に出てきた場面が複数見られ、おお…とか思っていた。(この「天国と地獄」に限らないが) www.youtube.com やはり、上の動画で指摘されていた点だが、画面の中での制御された動き…

野良犬

風邪をごまかしつつ先週えっちらおっちら錦糸町まで行って見てきた。 行く前は光と影のコントラストに注目なのか、と思っていたが、どちらかというと絵画みたいな構図と奥行きの面白さ、が印象に残る。(ハルミ宅での刑事と母娘の配置とか)。対位法について…

ハイドリヒを撃て!

事前にノーマークだったのを急遽見に行くことにしたのは良いが、「HHhH」の映画化(これとは別に進んでいるらしい)とばかり思っていて、始まった後に別物と気づく始末。 何かパラシュート部隊以外の人たちの書き具合が薄い気がしたのは気のせいか。「計画」…

アンタッチャブル

3週間ほど前に午前10時の映画祭で。近場で券が取れず立川まで行くが、音響の良い映画館で見て大正解であった。実に良い。 戦前のアメリカはシカゴ、禁酒法時代に密造酒で大儲けするためなら非道な手段も顧みぬアル・カポネに対して挑む刑事たち、とストーリ…

雪之丞変化

午前10時の映画祭でやっているのを観に日本橋へ。宣伝での画面の美しさに惹かれて、あらすじ程度の予習しかせずほぼ予備知識ゼロのまま行くが、予想よりも大分楽しんで見ることが出来た。 雪之丞と闇太郎との一人二役の長谷川一夫(さすがに加齢の影響は隠せ…

揺れる大地

先々週早稲田松竹で。素晴らしい映像の下、ただただ厳しい貧しさの中での選択肢のなさ(一見愚かに見える選択も、検討の余地すら生まれていない可能性もあることを考えてしまう)に、いたたまれぬ気持ちになる内容であった。翌日が月曜日の夜に見るのはやや…

アメリ

「午前10時の映画祭」が今年度早々にこれ、という訳で先々週日本橋に見に行く。 中学生の頃に見た時は映像的な印象が強くって、大筋のところとかはほとんど記憶になかったのだが、今回見てあまりにも「こちら側」の内容であることに愕然とした(サブカル的、…

家族の肖像

少し前に見た。 ヴィスコンティブームの火付け、とは聞いていたが、まあ確かに目眩する絢爛な感じとか、ウルトラ斜陽感とか、訴えうるものはあるけれど、圧倒的、と言う感じではないと言う印象。

沈黙

2月ほど前に見たが、書きそびれていたので備忘に。 感想としては、日本人俳優の印象が強い(特にイッセー尾形と窪塚洋介)。話としては、特にラストとか、こんなだったっけ?的な感じも。

ラ・ラ・ランド

遂に(瞬間的に)劣悪フェーズを抜けたので、昨日池袋で見てきた。(しかし、特に音楽に集中するという点からは、もっと音響に振った所に頑張って行くべきだった。) 一言で言うならば、これは少女漫画ですね(悪い意味ではなく)。なので、すんなり入ってく…

用心棒

新文芸坐で見る。ど直球時代劇だが、ウェットではなく面白い。キャラクターの造形であるとか風、火の表現など随所に漫画らしさがある(そもそもピストルと刀、強いのはどっちだ、的なところからしてそうか)が、むしろこちらが元祖ということか。

惑星ソラリス

昨日K'Sシネマで。タルコフスキーの映画を見たことがなかったので良い機会と思って見に行くが、如何せん疲労を溜めた身体で見に行くものではなかった(第一部の途中で寝落ちした。首都高シーンあたりは再び起きてたが)。 それはさておき、こんなにキリスト…

若者のすべて

昨日ようやっと納まったので見てきた。瞬間的な絵の抜群の美しさと、アラン・ドロンのこの世のものとも思えぬ美貌(方向性としては「山猫」の方が好みだが、絶対値としてはこちらのほうが極まっている。空前絶後。)といった視覚的な点、そして南部からの移…

ローグ・ワン

軽い気持ちで見に行ったが、戦闘部分中心に予想よりも大分気合の入った中身で非常に楽しめた。正直エピソード7より面白かったので、これを受けてエピソード8にもアクセルがかかることを期待。 序盤は正直主人公の過去とか旅立ちの経緯に時間を割く割には深み…

この世界の片隅に

10年前ぐらいに「夕凪の街、桜の国」を読んだときに自分にはヒットせず、その後著者の本を読んでこなかったこともあって、先週それ程期待せずに見てきた(「聖の青春」とどちらにしようか迷って、直前に決めたぐらいの何の気の無さ)が、とんでもない勘違い…

色鮮やかな合戦や秀虎が入った城が落とされる所、最終盤の楓の方の最期などに代表されるような視覚的な部分が醍醐味なのかもしれないが、何となく白黒の他の映画(といっても数本しか見てないが)と比べると、魔法が解けたような感じを受けてしまうのは先入…

羅生門

なぜ今年はこれ程までに今迄「いつか見る」群に入れていたものが集中的に訪れるのか、さっぱりなのだが、これもギンレイホールでデジタル版上映ということで、風邪を引き引きも今日見てきた。 あたかも印象派の絵のような、森のなかでの光と影のコントラスト…

七人の侍

ここ数週間例によって劣悪な環境下に置かれており体力的にもボロボロだったのだが、これは是非大画面で見たいと思っていたので先週行ってきた。 控えめに言っても最高の映画だったと思う。話の筋の面白さ、登場人物の魅力、瞬間的な映像・そしてその連続とし…

いまを生きる

当初の予定ではなかったものの、あまりに評判が良いので気になって見に行ったが、これは全くの想定外のピンポイント大当たりだった。素晴らしい。 粗筋だけだとよく見かけるような、型破りな「なんたら先生」の説話的な話が想起され、胃もたれしてくる感じな…

生きる

「午前10時の映画祭」の存在を先日知り、風邪気味にもかかわらず慌てて見に行く。重苦しい話でありながら結構可笑しいところもある(出だしの胃の映像といい、病院から帰って部屋の暗闇の中に縮こまっている所とか、息子の名前を連呼する件とか)のだが、…