将棋

『ボビー・フィッシャーを探して』刊行記念「盤上の冒険者たち」

という訳で何とか当日までに本も読み終え、神保町は三省堂まで行ってきました。若島正―羽生善治の対談に加えて羽生善治―小島慎也のチェス公開対局が目の前で見れてしまうという贅沢にも程がある企画。枠が80人ということで申し込み締め切りがかなり早かった…

角交換四間飛車を指しこなす本

本家による待望の解説書。まえがきからも意気込みが汲まれるが、内容も逆棒銀、7筋での折衝、穴熊・矢倉との戦い方、飛車先保留などを初歩から丁寧に。毎度のことながら藤井本は将棋の考え方が明快なフレーズとして表現されている所が非常に素晴らしいところ…

新・詰将棋道場

5手から9手の手数が短めのものを集めた本。手数が限られているが、作者っぽい味(大駒を派手に捨ててからぐいっと小駒で詰ますとか史上最難の五手詰を想起させる、大駒の効きで宙に浮いた玉をぎりぎり詰ますとか)が出ているものも多い印象。マイコミ将棋…

9手詰将棋

囲いに入った玉を詰ます題材をメインにした本。難易度はそれほど高くはなく、手順も精算して詰ますとか、あまり「詰将棋」らしくはない。9手詰将棋: 詰みの鍛錬に最適な202問 (将棋パワーアップシリーズ)作者: 高橋道雄出版社/メーカー: 創元社発売日: 2011…

電王戦第五局

午後から終局まで釘付けだった。ponanza側に特に従来の人間の常識の範疇ではとても指しきれない手(△1六香からの終盤で大駒1枚を捕獲するために持ち駒を僻地に3枚も投入する手順や、王手をかけて玉を下から追い、手順に上部への脱出を許す△7九銀など)がい…

アップ・セット・ボーイズ

15年ほど前に週刊将棋に連載していた漫画をまとめた本。これを今出すちくま文庫はすごいと思う。 題材は高校の将棋団体戦というちょっと異色なもので、高校大会の独特のちりちりした感じと鬱屈した気持ちと暑苦しさの入り交じる感じとか、「表」の将棋漫画に…

ゴキゲン中飛車で行こう

ゴキゲン中飛車創始者がその創世記から現在に至るまでを自戦記で振り返る本。60局以上の自戦記部分は簡単な解説程度のものだが、著者独特の面白みのある文章と、非常に振り飛車らしい、軽く筋の良い将棋が楽しめる。ゴキゲン中飛車で行こう (マイナビ将棋BOO…

A級順位戦最終局

佐藤渡辺戦が終了した(意表の戦型からの両対局者らしい意地を張った手順が見られる面白い将棋だった)頃に、三浦久保戦の三浦勝ちを確信して寝床についたのだが、とんでもない甘い読みだった(屋敷九段が粘れない横歩取りで早々と土俵を割って降級もあっさ…

人間に勝つコンピュータ将棋の作り方

2010年に行われた合議制の将棋ソフト「あから2010」対清水女流王将(当時)の勝負までのコンピュータ将棋の歴史について書かれた本。現在までの有名なコンピュータ将棋開発者がそれぞれ自身のソフトについて語っている点は興味深いが、内容は概観に留まる感…

覆す力

森内竜王・名人が自身の将棋人生を振り返りながら、特に羽生善治という将棋の歴史の中でも最強クラスの人物を同世代に持ち、その高い壁と競い合うなかで、どのようなことを考え目指してきたのかについて書いた本。副題をつけるなら、「羽生さんと私」としか…

相振り飛車の教科書

菅井流(対策)をはじめとして、低い陣形からのパンチを狙う現代的な相振り飛車の感覚を掴むのに良い本。相振り飛車の教科書作者: 杉本昌隆出版社/メーカー: マイナビ発売日: 2013/05/23メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見る

王座戦第5局

再び地の利を活かして藤井猛ショーという名の王座戦第5局解説会に行く。しかし内容は攻めきるか受けきるか、という最終的に大差になりやすい展開に後手が持っていったこともあって、解説会到着後数10分ぐらいで割りと形勢に差がついていた感じ。しかし例をあ…

つるの将棋7番勝負

つるの剛士が羽生三冠、渡辺竜王をはじめとしたプロ棋士と行った駒落ち7番勝負(どうぶつしょうぎとかもあるが)と対談を収めた本。本屋で見かけてなんとなく立ち読みしてみたが、ぱっと見から予想される内容よりもはるかに良い。良い意味で予想を裏切られた…

王座戦第3局解説会

地の利を活かして渡辺明ショーもとい王座戦第3局解説会に行ってきた。今年で5年連続とかか。将棋としては先手番の中村六段快勝、みたいな感じで割合あっさり終わってしまった印象。後から言ってもなのだが第4局の解説会に行ってみたかった。後は聞き手の加藤…

第72期順位戦予想2

一昨日の続き。B2からC級まで。B2◎ 佐藤天 ○ 飯島 ● 稲葉ここは相当固い予想と思う。1,2が鉄板に限りなく近い。ただでさえ最有力候補の佐藤天は戸部六段以外の若手とあたっておらず、飯島七段も若手とは最終戦の稲葉六段戦のみ。一応過去当たって負けている…

第72期順位戦昇級者予想1

完全に失念していて既に開幕当日になっていますが今年もやります。 前年度実績は、結局名前を挙げた中でB1で0人、B22人、残りは1人ずつとかで、至極微妙だったので今回はそれ以上を目指して。 どうでも良いが今月の将棋世界の順位戦予想がついに対談形式でな…

光速の終盤術

特に終盤戦の「考え方」に重点を置いての解説を試みたはしりの書。 中身が良いだけでなく、そのコンセプトという意味でも後の棋書に影響を与えた(らしい)非常に意義深い1冊。 それにしても、若い頃の谷川九段の終盤が切れすぎて感動した。特に読み切りまで…

電王戦第5局について

電王戦第5局はGPS将棋の勝利となった。 内容も、押さえ込みに回った三浦八段に対して、(人間には)無理気味に見える細い攻めを堅陣を背景に上手くつないで押し勝つという快勝といっていいもので、COMの面目躍如といった感じ。 序中盤の深い研究と終盤の局地…

電王戦第3局について

電王戦第3局は激戦の末ツツカナの勝利という結果に終わった。内容は双方死力を尽くした、という感じで本当に素晴らしいものだったと思う。 若手の中でもかなり上位に位置する船江五段があれだけの終盤力を発揮しながらも、時間の切迫やCOMの「折れない精神力…

2013.03.25-03.31

26日から29日まで広島で学会でした。だいぶ前に25が移動日という予定を組んだ所、見事に卒業式+学位授与式とかぶったためにどちらも出ず。まあこれは毎年あることだし個人的にも式に重みを置いていないので大したことではないが。学会は天気が悪いのと会場…

読むだけで身につく森内流終盤の技法

森内名人のこれまでの実戦譜(勝局)の中での好手順をピックアップして取り上げ解説した本。解説は見開き2頁の分量相応な上雑なところもあり、似た趣向の「戦いの絶対感覚」シリーズに比べれば、解説の量、質ともに劣ると思うが、150局という分量を集めたこ…

必ず役立つプロの常識

これまで比較的明文化されて来なかった感覚的な常識を、特徴的な実戦局面を用いて解説する本。本のコンセプトは非常に良い物だと思うが、漠然とした感覚に近いテーマとそれこそ知っているか否かという知識に近いテーマが混在しているので、そこを整理出来れ…

現代に生きる大山振り飛車

非常に面白かった。今回通読して、やはり「大山振り飛車」というのは他の振り飛車とは一線を画すものだなと、改めて感じた。藤井九段の解説は、この人しかいないという感じ。中原十六世名人の話も興味深い(が、もう少し分量や、初出の話があっても良かった…

永瀬流 負けない将棋

今年の新人王戦、加古川青流戦を制した若手のホープが自らの将棋について解説した本。 形式としては、自戦の中から幾つか選ばれた局面において、そこからの展開を著者が解説する方式+解説付きの棋譜。 永瀬五段と言えば「受け」と「千日手」が言わずもがな…

四間飛車激減の理由

居飛車穴熊対四間飛車美濃の定跡書の総決算ともいえる内容。体系的にまとまっており、きわめて優れた本だと思う。四間飛車激減の理由 (マイナビ将棋BOOKS)作者: 阿部健治郎出版社/メーカー: マイナビ発売日: 2012/10/23メディア: 単行本(ソフトカバー) ク…

2012.10.01-04

王座戦が今終わって羽生二冠が奪取。内容も千日手局、指し直し局ともに現時点での事実上の最高のカードらしい複雑な将棋だったと思う。全体通じて今季の王座戦の大きなキーワードはおそらく「『手渡し』をめぐる新旧対決」なのでは。羽生将棋についてこれま…

第71期順位戦予想

昨年は各クラス1人は当てたので(全く面白みのない予想だったで当然だが)今年はそれ以上を目標に。A級 ◎渡辺 ◯名人戦敗退者 ●深浦とはいえこのクラスは正直候補が狭すぎる。渡辺竜王は相当固いし、名人戦敗退者含めればほとんど外れなさそう。というかこの…

四間飛車穴熊の急所

定跡書ながら、この戦型のエキスパートである著者の経験や感覚が比較的明示されており、良い本と思う。 らしさ満点の食いつき感覚などが勉強になり、ためになった。四間飛車穴熊の急所 (最強将棋21)作者: 広瀬章人出版社/メーカー: 浅川書房発売日: 2011/04…

-2012.01.02

あけましておめでとうございます。京都出張前後から放置具合がひどかったのですが、これからはもう少し書く頻度を上げていくつもりで。しかし当然ながら年が変わろうが何しようが、自分の置かれた状況が急に変わるわけでもなく、相変わらず進路その他につい…

羽生の頭脳2

中身がノーマルな三間飛車、中飛車対急戦と、藤井システム前夜の居飛車穴熊、左美濃という訳で、定跡書としては完全に古典になってしまっているのだが、個人的に目を引くのはむしろ自戦記の文章。 今でこそ羽生2冠のスマートかつドライな将棋に対する考え方…