まっぷたつの子爵

「われわれの祖先」シリーズの1作目。筋自体はまあどうということもない(まっぷたつに切断されるメダルド子爵、というのは寓話的なものと捉えるのみでなく、むしろ戦争からの帰還者として直接的に見るというのもありうるのかもしれないが)が、さらりと描い…

AIの遺電子

1巻だけ読んだ。 トピック的には時宜にかなったという感じで確かに興味を惹かれるところはあるのだが、如何せんテーマに比して与えられている紙幅が乏しすぎるというか、問いと答えを非常に分かりやすい格好でセットにして提示されている感じ。 AIの遺電子 …

読書で離婚を考えた。

互いに本を薦め合い、薦められた本を読んでそのレビューを交互に書く、という連載の書籍化。ねらいは「相互理解」らしいが、円城塔から薦めた最後の本が「ソラリス」だったりするが、まあそういう感じの本。 何か世の人は、やりとり読んでいてハラハラすると…

魔犬

建造物の書き込みようは素晴らしいのだが、「魔犬」とか「名もなき都」とかで異形の者が可視化されると、何だか説得力が損なわれる気がするのは気のせいか。という訳で「神殿」が良かった気がする。 魔犬 ラヴクラフト傑作集 (ビームコミックス) 作者: 田辺…

きみは赤ちゃん

文章自体は気に入らないというか割と苛立ちを誘うものなのだが、自分が常識が無さすぎるので書いてあることは勉強になる、というかいちいち驚きを覚えている(特に産後。授乳が激痛を伴いうるものであるとか、母体の歯がすごく弱くなって抜けるとか。お産前…

2017.09.16

これまでこのブログには明示的には情報を記載していなかったのだが、つい先日諸手続きを終えて、大学院に入学することとなった。もう少し早く書いても良かったのだが、「だって僕は『自分を信じていない』もん」という所で、まあ。後はいかにここがウルトラ…

アレフ

先日岩波から新たに出たものをちまちま読んでおったが、8月中に何とか読み終える。 たまたま並列で読んでいた「からくりサーカス」の参考文献にも上がっており(正確には同書で挙げられていたのは白水から出ている「不死の人」だが。)、偶然に驚かされたり…

ハイドリヒを撃て!

事前にノーマークだったのを急遽見に行くことにしたのは良いが、「HHhH」の映画化(これとは別に進んでいるらしい)とばかり思っていて、始まった後に別物と気づく始末。 何かパラシュート部隊以外の人たちの書き具合が薄い気がしたのは気のせいか。「計画」…

ベイズ統計と統計物理

モンテカルロ法(ギブスサンプラーとか)について急に知りたくなって、積読になっていたこの本をおもむろに手に取ったのだった。 そこについての記載は大まか、と言う感じだったが(本の性質上それはそうだが)、最後に提示されていた「謎」については非常に…

読者ハ読ムナ(笑)

これは面白かった。ここまで言語化してくれる、なんていう事自体が奇跡的、というかこれに加えて環境の素晴らしさ(そして文字からもガンガン伝搬する熱気)と揃っていれば、脅威の連載輩出率もさもありなん、という所なのだろう。 読者ハ読ムナ(笑): いかに…

藤田和日郎本

全体的に寄稿記事が希薄に過ぎる。「美食王の到着」は絵も相まってお定まりではありつつ面白くはあったが。 漫画家本vol.1 藤田和日郎本 (少年サンデーコミックススペシャル) 作者: 藤田和日郎 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2017/05/18 メディア: コミッ…

流しの公務員の冒険

ある種の啓発的な所が前面に出た表紙からは嫌な印象も受けるし、中身もウェットな部分が多分にあるのだが(問題の構造を明らかにした上で、いかに人を動かして実際にそれを解決するか、というものなのである意味当然ではある)、目玉の常滑市立病院改革のエ…

淡島百景 2

面白かった、のだが、自分が1巻の中身を忘れてしまっており、ショック。通読の必要を感じる。 淡島百景 2 作者: 志村貴子 出版社/メーカー: 太田出版 発売日: 2017/07/25 メディア: コミック この商品を含むブログ (1件) を見る

銀河英雄伝説 7

例によって戦の部分は大丈夫か?という気分になるのだが、それ以外は面白い。 銀河英雄伝説 7 (ヤングジャンプコミックス) 作者: 藤崎竜,田中芳樹 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2017/08/18 メディア: コミック この商品を含むブログを見る

狂気の山脈にて 3

勝手に三巻完結だとばかり思っていたのもあり、手に取った瞬間は正直引き伸ばしではないか、などと感じたのだが、いざ実際に読み進めると、いよいよ姿を表した都市の絵の気合の入り方が凄まじく(禍々しさと異様さ、通常の理からかけ離れての一種の神々しさ…

ダンジョン飯 5

何だか食事関連ではない所はそれ程でもない気がしてきた。 ダンジョン飯 5巻 (HARTA COMIX) 作者: 九井諒子 出版社/メーカー: KADOKAWA / エンターブレイン 発売日: 2017/08/10 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (9件) を見る

週刊ダイヤモンド対談(井山六冠―藤井四段)

書店でおじさん向け雑誌である所の「週刊ダイヤモンド」の井山―藤井対談を立ち読み。全体的には特段印象深いこともないか、と思っていたが、最後の方で藤井四段の口から、「現状「レーティング」(ネット上で非公式に計算されている棋士レーティングのことか…

少女ファイト 14

一貫して分かり易い(良い意味ではない)方へ分かり易い方へ流れている感もある。 少女ファイト(14) (KCデラックス イブニング) 作者: 日本橋ヨヲコ,木内亨 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/07/21 メディア: コミック この商品を含むブログを見る

ジョジョリオン 15

題材はチープ(悪い意味ではない)だが、面白かった気がする(理由は不明)。 どうでも良いが、カバー写真で遂に老化の兆しが見られ始めた気がするのは気のせいか。 ジョジョリオン 15 (ジャンプコミックス) 作者: 荒木飛呂彦 出版社/メーカー: 集英社 発売…

2017.07.17

原理的には3連休であったが、数日前まで風邪だったのと、前後して何かと精神を削られる出来事があったりで、いまいち有意義に使えずだらだらしていた(言い訳)。 今日は猛暑の中外出して、先日のベイズ統計の復習に精を出し、妄想を逞しくするなど。漸くや…

ポーの一族 春の夢

40年ぶりに新作が描かれる、という信じ難い事実にとどまらず、今まで全く描かれてこなかった複数の情報を含む衝撃的な展開(第二次世界大戦中という、これまでの物語における歴史の中の「内挿」のエピソードとして書かれたものとは思えない)と、兎に角驚き…

2017.07.08

今週は忙しくないにも関わらず、色々気詰まりなこととかがあって、漸く昨日で一旦一段落することがわかっていたので、この日は息抜きの日、と決めていた。 池袋で古本市冷やかすなどしつつ、だらだらして午後から目白は志むらへ。 40分待ちではあったが、今…

2017.07.02

佐々木五段は見事な将棋で結果を出し、男を上げましたね。局後のコメントも大変良かった。 個人的には比較的個別の棋士に対する思い入れは薄い方だと思うのだが、今日の対局に関しては例外的に、両者とも個人的な推しのかなり上位に来る感じなので、中継最後…

マンガ熱

期せずして似たような本が続くが、こちらも大変面白かった。こちらも正直文句を言えばバチさえ当たりそうな面子であるが、特に面白かったのは、藤田和日郎(おそらく本書のハイライト)、荒川弘、大友克洋か(連載時に立ち読みしつつ、途中でキャッチアップ…

Keyboard magazine 2017年7月号

特集記事の「ゲーム・ミュージックのメロディ職人たち」の面々を見てノータイムで購入。植松伸夫、光田康典、下村陽子、伊藤賢治というスーファミ時代のSQUARE四天王(個人的に勝手に呼んでいるだけだが)に古代祐三、HAL研(はじめて見た気がする)、近藤嶺…

バッタを倒しにアフリカへ

サバクトビバッタ研究者である著者の、アフリカはモーリタニアでの奮闘記。 虫の写真こそたくさん出てくるが、研究の詳細的な話はあまりなく(一方でサバクトビバッタの相変異の話はかなり興味を惹かれる)、研究をすすめる上で非常にタフな環境で、どのよう…

このあいだに なにがあった?

二つの写真(ある出来事の起こる前後の写真)を見比べて、その間に何があったかを推定する、というコンセプトの絵本。 コンセプトだけ見ると「心の理論」臭が半端なく、どきどきしながら読み進めたが、それほどではなかった。風呂場の所はわずかに面白かった…

応天の門 7

もはやあまり謎解き的要素はなしか(ゼロではないのだが)。 応天の門 7 (BUNCH COMICS) 作者: 灰原薬 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/06/09 メディア: コミック この商品を含むブログを見る

アンタッチャブル

3週間ほど前に午前10時の映画祭で。近場で券が取れず立川まで行くが、音響の良い映画館で見て大正解であった。実に良い。 戦前のアメリカはシカゴ、禁酒法時代に密造酒で大儲けするためなら非道な手段も顧みぬアル・カポネに対して挑む刑事たち、とストーリ…

-2017.06.11

ここ数週間体調的にも精神的にも落ち込む側に揺動が激しく、割と駄目な感じであったが、漸く駄目もとというか、持たざる者の論理、という方に一種の諦めが働きつつある。 ブログ、と言う意味で言えば書くこと自体に強い動機があるというわけでなく、一つの記…