ベイズ統計と統計物理
モンテカルロ法(ギブスサンプラーとか)について急に知りたくなって、積読になっていたこの本をおもむろに手に取ったのだった。
そこについての記載は大まか、と言う感じだったが(本の性質上それはそうだが)、最後に提示されていた「謎」については非常に興味深い、というかここ暫く気になっていた問題と同じで(Isingモデルを事前分布に持ってきて、ノイズ入りの画像からベイズ推定で元画像を修復しました、という「応用」論文自体については全く面白いと思わないが、むしろ事前分布をどうとるかと言う所がベイズ推定のフォーマリズム上避け得ない問題であり、かつ、常態的に用いられているような事前分布でもハイパーパラメータ自体で振る舞いが大きく変わり、それが事後分布に影響する例も普通にある、ということに鑑みて、基礎的に重要に見える)、由緒ある問題であることを認識するなど。
本としては、かなり越境的な所とかを意識して書かれており、(かつ、物理的な原理を通した視点で例を見つつも、帝国主義的な傲慢でないという)なかなか良い意味で類を見ない面白いもの(今となっては、と言うところもあるのかもしれないが、特に物理の素養のある人が読んで、視野を広げるというか、そういうことを暗に狙いとされていると感じる)と思う。
読者ハ読ムナ(笑)
これは面白かった。ここまで言語化してくれる、なんていう事自体が奇跡的、というかこれに加えて環境の素晴らしさ(そして文字からもガンガン伝搬する熱気)と揃っていれば、脅威の連載輩出率もさもありなん、という所なのだろう。
読者ハ読ムナ(笑): いかにして藤田和日郎の新人アシスタントは漫画家になったか (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)
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藤田和日郎本
全体的に寄稿記事が希薄に過ぎる。「美食王の到着」は絵も相まってお定まりではありつつ面白くはあったが。
漫画家本vol.1 藤田和日郎本 (少年サンデーコミックススペシャル)
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流しの公務員の冒険
ある種の啓発的な所が前面に出た表紙からは嫌な印象も受けるし、中身もウェットな部分が多分にあるのだが(問題の構造を明らかにした上で、いかに人を動かして実際にそれを解決するか、というものなのである意味当然ではある)、目玉の常滑市立病院改革のエピソードを筆頭に、生々しい所(出て来る例が地方自治体での問題が主なのだが大体どれを見ても胃が痛くなる系)で実際に物事を動かして、成果を残してみせる手腕には平伏すしかない。
これだけの能力があってはじめて可能になるのが「侍」的な生き方か、と改めて感じざるを得ない。(並置するのが大変あれなのだが、実は「七人の侍」が本書で引き合いに出される部分について背景となる問題意識について、似たようことを去年映画見た時にぼんやりと考えていたので、ちょっとびっくりした)
銀河英雄伝説 7
例によって戦の部分は大丈夫か?という気分になるのだが、それ以外は面白い。